中国 コロナのワクチン タイやベトナムなどに優先提供表明

中国 コロナのワクチン タイやベトナムなどに優先提供表明
中国の李克強首相は、タイやベトナムなどメコン川流域の5か国の首脳らとテレビ会議を行い、中国が新型コロナウイルスのワクチンの開発に成功すれば、優先的に提供する意向を示しました。
中国政府によりますと、李克強首相は24日、中国を源流にインドシナ半島を流れるメコン川流域のタイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーの合わせて5か国の首脳らとテレビ会議を行いました。

この中で李首相は「中国とメコン川流域各国は同じ川の水を飲み、家族のような関係だ。新型コロナウイルスに共に立ち向かい地域の活力の回復に努めてきた」と述べました。

そして李首相は、「中国が新型コロナウイルスのワクチンの開発に成功し、利用が開始されれば、メコン川流域各国に優先的に提供する」と述べました。

中国の習近平国家主席は、中国がワクチンを開発すれば途上国に積極的に提供する考えを示していて、中国としてはメコン川流域各国にも同様の姿勢を示すことで影響力を強めたいねらいがあるとみられます。

一方、メコン川をめぐっては近年、水位の異常な低下で農業や漁業に深刻な影響が出ていて、流域の各国からは上流の中国で建設されたダムが原因ではないかという指摘が上がっています。

これに関連して李首相は、中国国内の川の流量や水位などのデータを年間を通して共有する考えを明らかにしました。