日本の宇宙輸送船「こうのとり」目的以上の成果達成 JAXA

日本の宇宙輸送船「こうのとり」目的以上の成果達成 JAXA
2009年から国際宇宙ステーションに物資を運ぶ役割を担ってきた、日本の宇宙輸送船「こうのとり」が、すべての運用を終えたことを受けて、JAXA=宇宙航空研究開発機構が記者会見し「当初の目的以上の成果を達成できた。われわれのやってきたことは間違っていなかった」と述べ、11年間を総括しました。
ことし5月に打ち上げられた「こうのとり」9号機は、日本時間の19日未明に国際宇宙ステーションから切り離され、20日午後4時すぎ南太平洋の上空で大気圏に突入し、すべての任務を終えました。

11年前に運用が開始された「こうのとり」は、一度に6トンの物資を運ぶことができる日本が開発した無人の輸送船で、宇宙飛行士の生活に欠かせない水や食料などさまざまな物資を運び、宇宙ステーションの運用を支えてきましたが、今回の9号機が最後の任務になりました。

これを受けてJAXAが21日記者会見し「必要な物資を補給するという役割だけでなく、国際宇宙ステーションから物資を回収することにも成功するなど、当初の目的以上の成果を達成できた」と総括しました。

そのうえで「当時は信用されていなかった日本の宇宙開発技術が、11年間の連続成功で、世界から信頼されるようになり、われわれのやってきたことは間違っていなかった」と振り返りました。

また「こうのとりで得られた技術は将来的な、有人宇宙飛行への活用にもつながる」と期待を述べました。

JAXAは「こうのとり」の後継機として「HTVーX」を開発中で、来年度中の打ち上げを目指しています。

9回打ち上げはすべて成功

「こうのとり」は、国際宇宙ステーションに物資を運ぶため、日本が開発した無人の輸送船で、11年前の2009年に初めて打ち上げられ、ことし5月の9号機まですべて成功しました。

大型実験装置の輸送はこうのとりだけ

大きさは、全長10メートル、直径4.4メートルほどの円筒形で、一度に最大で6トンもの物資を運ぶことができ、宇宙ステーションでの生活に欠かせない水や食料のほか、実験装置やバッテリーなど9回の輸送で合わせて50トンの物資を届けてきました。

物資を運ぶ輸送船はロシアやアメリカにもありますが、スペースシャトルが運用を終えたあと、大型の実験装置を運ぶことができたのは「こうのとり」だけで、とりわけ重要な役割を担いました。

ユニークなロボットアームでのドッキング

このほか、国際宇宙ステーションにドッキングする際に採用された宇宙飛行士がロボットアームを操作して「こうのとり」をつかむ方法はユニークで、安全性や確実性が高いとして、その後、アメリカの2つの輸送船にも採用されました。

技術は継承へ

JAXAは「こうのとり」の後継機の「HTV-X」の開発を進めていて、2021年度中の打ち上げを目指しています。

「HTV-X」は、「こうのとり」と同じような役割を担い国際宇宙ステーションに物資を運ぶほか、今後、建設が計画されている月を周回する宇宙ステーション「ゲートウェイ」にも物資を運ぶ予定で、「こうのとり」で培った技術は次世代の宇宙輸送船に受け継がれます。

NASA「アリガトウ」

最後の運用となった日本の宇宙輸送船「こうのとり」が、19日、国際宇宙ステーションから切り離されたあと、NASA=アメリカ航空宇宙局がツイッターの公式アカウントに、ある投稿をしました。

「Arigato.Sayonara,HTV.」

11年間にわたり、国際宇宙ステーションに物資を届け続けた「こうのとり」への感謝のことばが日本語でつづられていました。