タイ政府は、新型コロナウイルスの感染対策として出していた非常事態宣言を、来月末まで延長する方針を決めました。タイでは、若者による反政府集会が活発化していて、今回の延長は、政府への批判を抑え込むためではないかという見方も出ています。

タイ政府は21日、会見を開き、今月末までの非常事態宣言について、来月末まで延長する方針を明らかにしました。
非常事態宣言が延長されるのは、これで5回目です。

タイでは、新たに確認される感染者数は、ここ4か月ほどほぼ1桁の日が続いていますが、タイ政府は、世界では感染がおさまっておらず、感染の再拡大を防ぐため必要があるなどとしています。

一方、タイでは、先月半ば以降、若者による反政府集会が全土で活発化していて、集会に参加した人権派の弁護士や学生などが扇動などの疑いで相次いで逮捕されています。

このため、学生などの間からは、たび重なる延長は、こうした集会や政府への批判を抑え込むためではないかという見方も出ています。

これについてタイ政府は、あくまでも感染防止のためだという姿勢を強調しています。