韓国 新型コロナ感染 再び拡大 1日の感染者300人超える

韓国 新型コロナ感染 再び拡大 1日の感染者300人超える
韓国では、首都ソウルなどを中心に新型コロナウイルスの感染が再び拡大していて、20日は1日の感染者がことし3月上旬以来となる300人を超えました。ムン・ジェイン(文在寅)大統領は「ウイルスが韓国に入ってきてから最大の危機」だとして、危機感を強めています。
韓国では、首都圏の教会などで集団感染が相次ぎ、新型コロナウイルスの感染が再び拡大していて、20日、1日で新たに確認された感染者は、324人と、ことし3月上旬以来、およそ5か月ぶりに300人を超えました。

このうち、首都ソウルが126人と最も多くなっているほか、近郊のキョンギ道(京畿道)が103人となるなど、首都圏が全体のおよそ4分の3を占めています。

ただ、新規の感染者は全国各地で確認されていて、首都圏から全国に感染が広がる懸念が高まっています。

こうした中、ムン・ジェイン大統領は、21日、ソウル市役所を訪れ、「ウイルスが韓国に入ってきてから最大の危機だ。ソウルと地方を行き来する人数も多く、ソウルの防疫が崩れると、全国の防疫が一気に崩れる」と述べ、危機感を示しました。

また、感染が広がっている「サラン第一教会」の牧師がPCR検査の対象となる関係者の名簿を隠蔽するなど、感染拡大を防ぐための取り組みに協力を得られない事態も起きていることから、そうした場合には、警察などとも連携しながら、厳しく対応すべきだと強調しました。

ムン大統領支持率上昇 “ウイルス対策への期待”

韓国の世論調査機関「韓国ギャラップ」が、21日発表した世論調査によりますと、ムン・ジェイン大統領を「支持する」と答えた人は、先週よりも8ポイント上がって47%となっています。

支持する理由としては、新型コロナウイルスへの対応が37%と最も多くなっていて、韓国ギャラップは、感染者が急増する中で、ウイルス対策への期待が高まった結果だと分析しています。

一方で、「支持しない」と答えた人は、先週よりも8ポイント下がって、45%でした。

今回、およそ1か月ぶりに「支持」が「不支持」を上回りました。

ムン大統領の支持率は、首都圏を中心に価格が高騰し続けている不動産をめぐる政策に批判が高まっていることから、先週には、およそ10か月ぶりに30%台まで低下していました。

また、新型コロナウイルスに関連し、「感染することを心配している」という人は83%と、1か月前より10ポイント上がり、これまでで最も多くなっていて、国民の間で不安が広がっていることがうかがえます。