東京 奥多摩町 “Go To” 対象外で都民が訪れ渋滞 入場制限も

東京 奥多摩町 “Go To” 対象外で都民が訪れ渋滞 入場制限も
東京都内で最も西に位置し自然豊かな奥多摩町には、「Go Toトラベル」の対象から外れたことで“休暇を近場で過ごそう”とする都民が数多く訪れて連日激しい渋滞が発生し、町は観光スポットの入場制限などを始めました。
奥多摩町によりますと今月、町内の人気の観光スポット、「日原鍾乳洞」や「奥多摩湖」などを訪れた人は去年の同じ時期に比べて30%ほど増えているということです。

また、例年よりもマイカーやレンタカーで訪れる観光客が多く、特に都内ナンバーの車が目立つといいます。

今週に入ってからは、鍾乳洞につながるおよそ10キロの一本道で激しい渋滞が発生し、周辺の住宅に介護事業者が訪問できなくなったり、住民の足となっている路線バスが一部運休したりする影響が出ています。

今後、救急車が通行できないなど、住民生活に深刻な影響が出るおそれがあるとして、町などは今月18日から日原鍾乳洞の入場制限を始め、鍾乳洞の駐車場が満車となった段階で、およそ7キロ手前から車での通行を控えてもらう呼びかけを始めました。

21日も午前11時すぎには満車となり、町の職員がドライバーに時間をおいて訪問するよう求め、観光客は次々に引き返していました。

杉並区から訪れた40代の男性は「とても暑いので鍾乳洞は涼しいと思って来ましたが、混んでいて驚きました。きょうは諦めて別の場所に行きます」と話していました。

この地区の自治会長の男性は「初めての事態で戸惑っています。せっかく来てもらったのにお帰りいただくのは本当に申し訳ないが、ご理解をお願いしたい」と話していました。

町では「Go Toトラベル」の対象から東京が外れたことや、小池知事が都外への旅行や帰省を控えるよう呼びかけたことから近場で休暇を過ごそうとする都民が奥多摩町に集中しているとして、観光客の分散化を求めています。

奥多摩町総務課の大串清文危機管理担当主幹は「ここまで大渋滞になったことはなく、観光客の動きが変わったと感じている。感染者の状況が落ち着けば、都民が各地で旅行や観光を楽しめるようGo Toトラベル事業の対象にするよう検討してほしい」と話していました。

町村会 “Go To”対象に都内発着の旅行を

奥多摩町が都民で混雑する一方で、奥多摩町も加盟する都内13の町と村でつくる東京都町村会は、都内の町村部の観光産業は全体的には厳しい状況にあるとして、この先、感染者数が減少傾向となったらGo Toトラベル事業に都内発着の旅行を対象に加えることなどを求める要望書を今月17日に国に提出しています。

小池都知事「町村会の考えも受け止めたい」

東京都町村会が、国に対し、「Go Toトラベル」事業の対象に、都内発着の旅行を加えることなどを求めていることに関連して、東京都の小池知事は「最初のころ島の皆さんは島に来ないでくださいと明確に言っており、多摩地域からもできるだけ人が来ないように道を封鎖してほしいという趣旨の要望も承ってきたが、クラスターの抑え方など対策が分かってきたと思う」と述べました。

そのうえで「どのような形でサポートするか、さまざまな工夫も凝らしながら地域のニーズや都民の旅行への期待に応えられるように、町村会の考えも受け止めていきたい」と述べました。