みずほ銀行 新たに口座作る人が通帳発行で1100円の手数料

みずほ銀行 新たに口座作る人が通帳発行で1100円の手数料
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銀行で預金口座をつくると発行される紙の通帳に手数料がかかることになりました。大手銀行のみずほ銀行は、来年1月から70歳未満の人が新たに口座をつくる場合、通帳の発行に1100円の手数料を取ると発表しました。
発表によりますとみずほ銀行は、来年1月18日から、新たに口座をつくり紙の通帳の発行を希望する場合には手数料を取ることにしました。

70歳未満の人が対象で紙の通帳1冊当たり、税込みで1100円を取るということです。

すでに口座を持っている人に対しては、希望すればこれまでどおり、無料で紙の通帳を出すとしています。

みずほ銀行としては、手数料の導入に合わせてインターネット上で残高や過去10年分の取り引きの履歴を確認できるようにして、紙の通帳からデジタル通帳への移行を促したいとしています。

また、来年1月4日からは企業が決済に使う手形などの用紙を交付する手数料も引き上げ、約束手形の用紙は税込みで1冊3300円から1万1000円に、当座小切手は1冊2200円から1万1000円に値上げします。

新たな手数料や値上げの背景には、低金利の長期化で銀行の収益環境が悪化していることがあります。

大手銀行では、三井住友銀行や三菱UFJ銀行もすでにデジタル通帳の利用を原則にしていて、みずほ銀行の動きはほかの銀行にも影響を与える可能性があります。

ほかの大手銀行は

みずほ銀行が導入を決めた、紙の通帳を発行する際の新たな手数料。

超低金利による収益環境の悪化は銀行業界共通の課題でほかの大手銀行にも広がる可能性があります。

三井住友銀行、三菱UFJ銀行、それに、りそな銀行の広報担当者に取材したところ、いずれも「現時点で導入を決めてはいない」という回答でした。

しかし、ある大手銀行の幹部は、取材に対し、「みずほ銀行が発表したことで、私たちの銀行も導入しやすくなった。できれば、みずほ銀行と同じ来年1月から始められるようにしたい」と述べ、検討を加速する方針を示しました。

この幹部は、「手数料は預金者に負担を強いるものなので、できれば先陣を切りたくなかった」とも話していて、コストがかかる紙の通帳からデジタル通帳への変更を促すため、同じような手数料を取る動きが広がる可能性があります。

通帳の発行にかかる費用は

紙の通帳に手数料を求める背景にはコストの削減があります。

紙の通帳には1つの口座に、年間200円の印紙税がかかります。

そこに紙や印刷の費用、発行や管理にかかる人件費などのコストもあります。

みずほ銀行には、およそ2400万の口座があり、紙の通帳の発行には少なくとも年間50億円以上の費用がかかる計算となります。

みずほでは、デジタル通帳への移行を促すと同時に、事務手続きの効率化も進めることで年間、十数億円のコスト削減を見込んでいます。

次の焦点は「口座維持手数料」

今回のみずほ銀行の決定は、これまで無料=「ただ」が当たり前だった銀行のサービスが今後、変わっていくこと示しています。

紙の通帳を発行する際の手数料に続いて、今後、議論になる可能性があるのは預金口座を持っていることに対してお金を取る「口座維持手数料」の導入です。

アメリカやヨーロッパでは、銀行が預金者から「口座維持手数料」を取ることは珍しくありません。

日銀がことし2月、海外の銀行の手数料の仕組みは日本の金融機関にも参考になるなどとする報告をまとめたことをきっかけに、銀行業界を中心に話題になっていました。

「口座維持手数料」をめぐって、大手銀行は、預金者の反発が予想されることなどからいずれも「導入は考えていない」という立場を崩していません。

しかし、人口減少による国内市場の縮小や長引く超低金利で貸し出しなどの本業で利益があがりにくくなっています。

また、銀行間の送金手数料を見直して振込の手数料などを引き下げるよう求める声も出ています。

銀行関係者からは「いずれは導入しないと経営がもたない。最初にどの銀行が踏み切るかだ」という本音も聞かれますが、サービスの向上などが伴わなければ預金者の理解を得るのは難しそうです。