南アフリカ マスクなどの調達で汚職横行 捜査中の契約650件余

南アフリカ マスクなどの調達で汚職横行 捜査中の契約650件余
新型コロナウイルスの感染者がアフリカで最も多い南アフリカではマスクなどの調達をめぐって政府機関と業者との癒着が横行し、捜査当局は650件以上、合わせて300億円余りの契約について調べていることを明らかにし、ウイルス対策とともに汚職への対策が深刻な課題になっています。
南アフリカの新型コロナウイルスの感染者は、19日までに59万人を超え、アフリカ全体の半数以上を占め、最も多く、世界でも5番目に多くなっています。

こうした中、政府機関や地方政府では、医療従事者に配布するマスクなどの医療品や外出制限で生活に困窮している貧困層に配布する食料などを調達していますが、契約をめぐって当局者と業者との癒着が相次いで明らかになっています。

これについて、汚職などを調べる捜査当局のトップが19日、議会で報告を行い、汚職が疑われる捜査中の契約が全国で658件あり、その金額は合わせて50億ランド余り、日本円で300億円余りにのぼることを明らかにしました。

この問題をめぐって、ラマポーザ大統領は15日、演説で「ウイルスという共通の脅威に対して国民は団結したが、社会の最も悪しき面も浮き彫りになった」と述べ、新型コロナウイルスに乗じて私腹を肥やす動きを批判していました。

しかし、大統領の報道官も汚職の疑惑があることから休職していて、ウイルス対策とともに汚職への対策が深刻な課題になっています。