「エアコンの電気代が負担」という高齢者を支援 東京 狛江

「エアコンの電気代が負担」という高齢者を支援 東京 狛江
連日の暑さで、熱中症の疑いで病院に搬送される人が急増し、高齢者を中心に亡くなる人が相次いでいます。熱中症予防の対策には夜間でも冷房を適切に利用することが必要です。自治体の中では、エアコンの設置費用を助成するなど支援の動きが出ています。

東京 狛江市では5万円上限に助成

このうち東京 狛江市では、新型コロナウイルスの感染拡大で外出を自粛する人が増え、室内での熱中症対策がより重要になっているとしてことし6月から支援を始めました。

対象はいずれも自宅にエアコンを1台も設置していない、高齢者だけで暮らす世帯や生活保護を受けている世帯などでエアコンの購入や設置にかかった費用を5万円を上限に助成します。

狛江市によりますと、今月15日までに70世帯から申請があり、エアコンを設置していない理由については「電気代の負担が重いと感じる」とか「エアコンが嫌い」などという声が聞かれたということです。

また、扇風機を使ったりエアコンのきいた自宅近くの公共施設に通ったりして暑さをしのいでいた人が多かったということです。

狛江市では、内閣府の調査をもとに市全体のおよそ4万3000世帯のうちエアコンを設置していないのは10%に当たるおよそ4300世帯に上ると見込んでいます。

支援制度の対象になるのは440世帯だということで市では制度の利用を呼びかけています。

狛江市高齢障がい課加藤達朗課長は「新型コロナウイルスの感染が拡大する中で記録的な猛暑が続くというこれまで経験したことのない夏となっていて、熱中症のリスクも高く、危機感を持っている。高齢者の中には『エアコンが苦手』という人が少なくなく、熱中症を防ぐためにはエアコンの設置が大切だということを引き続き周知していきたい」と話しています。

専門家「エアコン設置に行政が支援を」

熱中症に詳しい日本医科大学付属病院の横堀將司救命救急科部長は「熱中症は急激に気温が上がったことに体が順応できないことでなってしまうので、室内の温度の急激な上昇を防ぎしっかりと下げるためにもエアコンの設置は非常に重要です。エアコンがない場合はすだれやカーテンを設置して部屋の中に直射日光が入らないようにして少しでも温度を下げるようにしてほしい」と話しています。

そのうえで、自宅にエアコンがない高齢者が重症化しているケースが多いと指摘したうえで、「新型コロナウイルスの感染予防のために互いの家を訪問することを控えている人も多いと思うが、自宅にエアコンのない高齢者については親族や地元の住民が訪ねたり電話で体調を確認するなどしてほしい。エアコンを購入することができそして電気代などを気にして利用を控えることがないように行政には積極的な支援が求められている」と話しています。

70歳以上の単身世帯 約2割が未設置

内閣府がことし3月に行った消費動向調査では、全国のおよそ6800世帯のうちエアコンを設置していない世帯は11.4%となっています。

また、1人暮らしの世帯では16.2%、70歳以上の1人暮らしでは18.2%がエアコンを設置していませんでした。

この夏 危険を感じてエアコン購入する人も

エアコンなしでこれまで暑さをしのいできた高齢者の中には、この夏、熱中症の危険を感じエアコンを購入する人もいます。

東京 荒川区の69歳の男性はアパートの6畳ひと間の部屋で1人で暮らしています。

男性は4年前からこの部屋で生活していますが、エアコンは設置されていません。

それ以前の部屋も同じようにエアコンはなく、これまでエアコンのある部屋で1度も暮らしたことはないということでそのことで困ったことはありませんでした。

男性は熱中症にならないために1台の扇風機を夜中もつけたままにして窓を開けてできるだけ風通しをよくして水分をこまめに補給しています。

しかし、ことしの夏は猛烈な暑さが続いています。

男性は扇風機の風も熱風のように感じ、寝ていても暑さで目がさめてしまうことが多く、頭がくらくらすることもあったといいます。

男性は生活保護を受けていて去年、転倒した際に頭を打つなどの大けがをしたため、医師や看護師による訪問診療を受けています。

この夏、医師や看護師から「このままでは熱中症の危険がある」と心配され、男性は熱中症にならないためにエアコンを購入することを決めました19日は、ふだんから生活の相談をしているケアマネージャーの女性と一緒に自宅近くのディスカウントストアを訪れ、少しずつためたお金でエアコンを購入しました。

購入したのはおよそ4万円のエアコンで、設置工事の費用も合わせて5万7000円ほどでした。エアコンは今月27日にアパートの部屋に設置されます。

69歳の男性は「これまで扇風機で暑さをしのいできたのでエアコンの必要性は感じていませんでしたが、『命が大事』と言われ、エアコンを買うことを決めました。ことしの夏はこれまでで最も暑いと感じます。エアコンを買うことができほっとしています」と話しています。