ベラルーシ情勢 ロシアとの関係が焦点に

ベラルーシ情勢 ロシアとの関係が焦点に
先週行われた大統領選挙のあと混乱が続く旧ソビエトのベラルーシでは、ルカシェンコ大統領がロシアのプーチン大統領からの支援を期待しているのに対し、反政権派の女性の団体もロシアとの関係を維持する姿勢を強調し、双方のロシアとの関係が今後の展開に影響を及ぼすことになりそうです。
ベラルーシでは、今月9日の大統領選挙でルカシェンコ大統領が6選を決めたとしたのに対して、反政権派の女性候補でチハノフスカヤ氏の支持者などが「不正な結果だ」として抗議活動を続け、退陣を求めています。
ルカシェンコ大統領はここ数日、ロシアのプーチン大統領と電話会談を繰り返し、必要な場合はロシアからの軍事的な支援を受けることを確認していて、18日に開いた安全保障会議では、反政権側はロシアとの政治や経済に関する同盟から脱退し、ヨーロッパに接近しようとしていると非難しました。

これに対してチハノフスカヤ氏の団体は首都ミンスクで会見し「私たちがロシアとの関係を台なしにしようとしていると大統領が印象操作している」と反論し、政権を担ったとしてもロシアとの関係を重視する姿勢を強調しました。

反政権派としても政権移行を目指すにあたってはロシアとの関係を維持することが欠かせないと見ていて、双方のロシアとの関係が今後の展開に影響を及ぼすことになりそうです。

トランプ大統領「ロシアとも適切な時期が来たら話する」

大統領選挙の結果をめぐってベラルーシで続いている抗議活動について、トランプ大統領は18日、ホワイトハウスで記者団に対し「ベラルーシに民主主義があまりあるようには思えない。私は民主主義を支持している」と述べました。

そのうえで、ベラルーシへの軍事的な支援を必要に応じて行う構えもみせているロシアについて「多くの関係先と話をしていてロシアとも適切な時期が来たら話をするつもりだ」と述べ、ロシア側との会談の用意がある考えを示しました。

ただ「デモは平和的に見える」とも述べ、EU=ヨーロッパ連合が緊急の首脳会議の開催を決める中、アメリカとして直ちに何らかの行動を起こすかどうかまでは、踏み込みませんでした。

専門家「遠からず終えんの日が来ると思う」

ベラルーシで大統領選挙の結果をめぐり、大規模な抗議デモが続いている理由について現地の情勢に詳しいロシアNIS経済研究所の服部倫卓所長は「あまりにもあからさまな不正と民主化を求める声に対するあまりにもひどい弾圧で、いままで政治とは無縁だったような人たちも巻き込んで抗議活動が広がっている。地域も首都ミンスクだけでなく西から東まで、覆い尽くしている」と指摘しました。

さらに今回の抗議デモの広がりには新型コロナウイルスへの対応も背景にあるとし「『ウォッカを飲めば問題ない』などの方便を繰り返している。さすがに国民の命に関わる問題であり、国民がいよいよルカシェンコ大統領を見限ったのではないか」と述べました。

また、街頭での抗議活動に加え、自動車や石油精製の工場を含む多くの国営企業などでもルカシェンコ大統領の退陣を求めるストライキが行われていることに触れたうえで「全体としてルカシェンコ政権がもう完全に死に体であることは疑いないと思う。遠からず、終えんの日が来ると思う」とし、いずれルカシェンコ大統領が退陣するとの見通しを示しました。

また、ベラルーシに影響力がある隣国ロシアの今後の動きについて「今のデモを見ても反ロシア主義の声は特にない。あくまで反ルカシェンコだ。もし倒れかけたルカシェンコ政権にプーチン大統領が援軍したらロシアとしては残された希少な同盟国のベラルーシ国民を敵に回しかねない」とし、ロシアによる軍事介入の可能性は考えにくいとの見方を示しました。

首都では拘束された人たちの解放求める

ベラルーシの首都ミンスクでは、18日も、市民たちが反政権デモに参加するなどして拘束された人たちが収容された施設の前に集まり、解放を求めました。

ベラルーシでは、先週行われた大統領選挙でルカシェンコ大統領が6選を決めたとされたことに対する抗議活動が続き、一時最大でおよそ7000人が警察に拘束されました。

反政権派の女性候補、チハノフスカヤ氏も18日、動画のメッセージで、大統領選挙に立候補しようとして拘束されたみずからの夫について触れ、「夫たちは施設の中にいて動けないが、皆さんはそうではない」と述べ、ルカシェンコ大統領の退陣に向け活動を展開しようと呼びかけました。

一方、ルカシェンコ大統領への非難は国際社会からも強まっていて、ベラルーシに対する制裁を科すことで合意しているEU=ヨーロッパ連合も、19日、首脳会議を開くことにしています。

これに対してルカシェンコ大統領への支援を表明しているロシアのプーチン大統領は18日、EUのミシェル大統領やドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領と相次いで電話会談を行い「情勢に介入するいかなる試みも容認できない」と述べ、EU側を強くけん制しました。