全国の重症者243人 専門家「医療現場のひっ迫招きかねない」

全国の重症者243人 専門家「医療現場のひっ迫招きかねない」
東京都内では、新型コロナウイルスに感染した重症の患者が18日の時点で31人となり、ことし5月30日以来、30人を超えました。

大阪府内では、今月に入ってから、新型コロナウイルスの重症患者が急増し、17日の時点で70人となっています。

厚生労働省によりますと、全国の重症者は、18日時点で243人となっています。
全国の重症者数の推移について感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は「感染者の数はここ最近は横ばいとなっているが、感染者の数が増えてから少し遅れて重症になる人が増えてくるため、今後もしばらく注意が必要だ」と指摘しています。

このうち東京の状況について、濱田教授は「これまで東京は若い人たちを中心に感染が広がっていたが、今月から少しずつではあるが高齢者の割合が増えるなど状況が変わってきたように感じている。最近は若い人の感染が中心で、重症化する人が少ない印象があったかもしれないが、高齢の感染者が増えると重症者の数は増え、医療現場のひっ迫を招きかねない状況は変わっていない。これまで通り『3密』の環境を避けるなど感染対策を意識して生活してほしい」と話しています。

一方、重症者が増えている地域があることについては「大阪は先月から急激に感染者が増え、重症化するリスクの高い高齢者も感染したことが原因だと考えられる。今後、高齢者に感染を広げないようにほかの地域以上に注意が必要ではないか」と話しています。