お盆 “都道府県またいだ移動” 去年の6割に ビッグデータ分析

お盆 “都道府県またいだ移動” 去年の6割に ビッグデータ分析
新型コロナウイルスの感染拡大で帰省や旅行を控える動きが広がる中、お盆休みの期間に、全国でどのくらいの人が実際に移動を控えたのか、ビッグデータで明らかになりました。都道府県をまたいで移動をした人の数は、去年の同じ時期のおよそ60%に減ったとみられることがNHKの分析でわかりました。
NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたデータを使って、今月8日から16日までと、去年同じ時期(8月10日~18日)を比較して、都道府県をまたいで移動した人の数を分析しました。(期間中の正午から午後4時までの平均の人数を基に割合で比較)

その結果、都道府県をまたいで移動した人の数はすべての都道府県で減少し、全国では去年の同じ時期の61%に減少したとみられることがわかりました。

また、他の都道府県から入ってきた人を去年の同じ時期と比べると、もっとも減少したのが、
▽秋田県で33%、次いで
▽新潟県が37%、
▽青森県が39%、
▽沖縄県が40%、
▽山形県と岩手県、鹿児島県が41%など、
全国の17の県で半分以下に減っていました。
一方で、減少幅が小さいのは東京や大阪などの大都市周辺で、
▽奈良県で去年の85%、
▽埼玉県が79%、
▽神奈川県が77%、
▽和歌山県が76%、
▽滋賀県が75%などとなっています。

減少幅が東京や大阪といった大都市圏では小さい一方、離れた県では極端に大きくなっていることがビッグデータから読み取れます。

人の移動の分析に詳しい早稲田大学の佐々木邦明教授は、新型コロナウイルスの影響で地方への帰省や旅行を実際に控えたことがデータで裏付けられたと指摘しています。

東京の人はどう動いた?

ビッグデータからは特定の県からどの都道府県に移動したかについても分析することができます。今月8日から16日までのお盆の期間、東京の人の移動は去年のお盆と比べてどのように変化したのか。

まず東京にとどまった人は推計で去年より9%、85万人余り増えていました。

東京から関東地方以外に行った人はいずれも減少し、地方別で見ますと去年と同じ時期に比べて減少幅の大きい順に、
▽東北は23%、
▽中国地方は26%、
▽四国地方は28%、
▽九州・沖縄は36%、
▽近畿地方は40%、
▽中部地方は44%、
▽北海道は47%となりました。

関東地方の減少幅は81%と小さく、近場の移動が比較的多かったという結果でした。

また主な道府県別に見ますと、
▽秋田県に行った人は去年の同じ時期の15%ともっとも減ったほか、次いで▽岩手県が18%、
▽山形県が19%、
▽青森県が20%、
▽福井県が22%などと、大都市から離れたところで大幅に減りました。

また、
▽観光地の沖縄県は45%、
▽北海道は47%と減り幅は半分程度にとどまりました。
一方で、東京に隣接する県に行った人は去年の同じ時期と比べてあまり減っておらず、
▽埼玉県が90%、
▽神奈川県が89%、
▽千葉県が81%でした。

大阪の人はどう動いた?

こうした傾向は大阪府でも見られます。

大阪府にとどまった人は去年の同じ時期より推計で4%26万人余り増えた一方、大阪府から別の都道府県へ行った人はすべてで減少しました。

このうち、
▽鹿児島県と長崎県に行った人は去年の同じ時期の30%ともっとも減ったほか、次いで、
▽秋田県が31%、
▽宮崎県と山形県が32%、
▽愛媛県と島根県が33%などと、
大都市から離れたところで大幅に減っています。
一方で、大阪府に隣接する県に行った人は去年の同じ時期と比べてあまり減っておらず、
▽奈良県が98%、
▽京都府と滋賀県、和歌山県が91%、
▽兵庫県が86%となっています。

沖縄県への人の移動は?

感染の拡大が懸念される沖縄県への移動はどうだったのか。

ほかの都道府県から沖縄県へ移動した人は去年の同じ時期と比べると40%にとどまりました。

地方別に沖縄県に行った人を見ますと、いずれの地方も去年の同じ時期の半分を下回り、
▽北海道が47%、
▽近畿地方が46%、
▽九州地方が43%、
▽関東地方が41%、
▽中部地方が31%、
▽東北地方が30%、
▽中国地方が27%、
▽四国地方が23%となりました。

主な都道府県別に見ますと、
▽大阪府が52%となったほかは、
▽いずれも去年の同じ時期の半分以下で北海道が47%、
▽高知県と京都府が46%、
▽東京都と福岡県が45%などとなりました。