クラシック音楽 演奏時の飛まつ 楽器ごとに検証

クラシック音楽 演奏時の飛まつ 楽器ごとに検証
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クラシック音楽などを演奏する際に飛まつが広がる範囲を楽器ごとに実験したところ、最も多く測定されたトランペットでも前方に集中していることなどが明らかになり、調査にあたった団体は、演奏会を従来の形に近づけるための科学的な根拠になるとしています。
この実験は、クラシック音楽の公演に関わるオーケストラや企業などで作る「クラシック音楽公演運営推進協議会」などが、先月、長野県茅野市の研究施設にあるクリーンルームで行いました。

トランペットやバイオリンなど12種類の楽器の演奏者、合わせて36人が、医師などの専門家の監修のもとそれぞれ演奏を行い、前後左右に設置した9台の測定機器で飛まつの量を測定しました。

その結果、飛まつが最も多く測定されたのはトランペットで、音の出る先端では6秒間に最大でおよそ1万2000の粒子が確認されましたが、演奏者の左右や後ろではほとんど確認されず、飛まつは前方に集中していることが分かりました。

また、ホルンは先端が右に向いているため、演奏者から50センチメートル離れた場所では、前方よりも右側のほうが多くの粒子が確認されました。

この実験結果について協議会は、演奏者の配置を楽器ごとに検討するなど、感染が広がる前の形に近づけるための科学的な根拠になるとして、個別に対策を進めながら演奏会を再開している各地のオーケストラなどに広く活用を呼びかけています。

実験を発案したNHK交響楽団の首席ホルン奏者、福川伸陽さんは、「プロだけでなく、中高生の部活動などで練習や公演をする上で本当に必要な対策は何かを明らかにするために実験を行いました。音楽界だけでなく社会全体で何が対策になるのか考えるきっかけにしてほしい」と話しています。