イギリス政府 米企業開発のワクチン9000万回分供給確保で合意

イギリス政府 米企業開発のワクチン9000万回分供給確保で合意
イギリス政府は、14日、アメリカの医薬品大手などが開発を進める新型コロナウイルスの2種類のワクチンについて、開発に成功した場合、合わせて9000万回分の供給を受けることで合意したと明らかにしました。
イギリス政府によりますと、開発に成功した場合、アメリカのバイオテクノロジー企業、ノババックスが6000万回分、アメリカの医薬品大手、ジョンソン・エンド・ジョンソンが3000万回分のワクチンをそれぞれ供給することで合意したということです。

このうちノババックスは、一部のワクチンをイギリスにある富士フイルムの子会社の施設で製造する計画で、イギリス政府は、ワクチンの供給が可能になれば、迅速に入手できるとしています。

どちらのワクチンも開発に成功すれば、来年半ばにもイギリス国内に供給されるということで、政府は、医療従事者や高齢者などに優先的に接種する方針です。

イギリス政府は、このほかにも、国内のオックスフォード大学と製薬大手アストラゼネカが開発を進めるワクチンなど4種類をすでに確保しています。

各国で開発が進められている複数の新型コロナウイルスのワクチンは、安全性や有効性を確かめる臨床試験の段階ですが、アメリカやEU=ヨーロッパ連合などは異なる種類のワクチンの確保を進めるなど、各国間の競争が激しくなっています。

EUも米英の企業から供給確保

一方、EU=ヨーロッパ連合も、14日までに、アメリカの医薬品大手とイギリスの製薬大手がそれぞれワクチンの開発に成功した場合、合わせて5億回分の供給を受けることで合意したことを明らかにしました。

内訳は、アメリカの医薬品大手、ジョンソン・エンド・ジョンソンから2億回分、またイギリスの製薬大手、アストラゼネカから3億回分となっています。

また、ワクチンがさらに必要になった場合は、両社から追加で合わせて3億回分の供給を受けることでも合意したということです。

EUはすでにフランスの製薬大手、サノフィとも3億回分のワクチンの供給を受けることで合意していて、今回の合意の結果、EUは合わせて3種類、最大で11億回分のワクチンを確保したことになります。

EUのフォンデアライエン委員長は14日、「ヨーロッパ人だけでなく、世界中のどんなパートナーにも提供することができる」という声明を出し、状況に応じてEU域外の国にもワクチンを融通する考えを示しました。