小池都知事「危険な暑さ 新型コロナに加え熱中症の対策を」

小池都知事「危険な暑さ 新型コロナに加え熱中症の対策を」
東京都の小池知事は、熱中症で搬送される患者が相次いでいるうえ、65歳以上が自宅などで発症して搬送されるケースが多いとして「特別な夏であることしは新型コロナウイルス感染症に加えて、熱中症の対策を同時に行うようお願いしたい」と述べ、警戒を呼びかけました。
東京都の小池知事は14日の記者会見で「連日、熱中症の警戒アラートが発表され、本当に危険な暑さといえる。ここ数日、多い日は200人以上が熱中症で救急搬送されている」と述べました。

そのうえで、東京消防庁のまとめでは、8月に入って都内で熱中症や熱中症の疑いで救急搬送された人のうちおよそ4割が自宅などで発症し、このうち中等症以上のおよそ85%が65歳以上だと明らかにしました。

そして「エアコンをつけずに熱中症になって重篤になった事例も複数ある。屋内で過ごす場合はエアコンや扇風機などをうまく活用し、密閉を回避するため窓をときおり開けて風通しをよくすることを心がけていただきたい」と述べました。

そのうえで「特別な夏であることしは新型コロナウイルス感染症に加えて、熱中症の対策を同時に行うようお願いしたい」と述べ、警戒を呼びかけました。

また、都の独自の緊急事態宣言を出すかどうかについて小池知事は「さらなる営業時間の短縮の要請などいくつかの方法もあろうかと思う。専門家の意見を踏まえながらになると思うが、いつどのような形で出すのか、出す必要性があるかどうかさまざま分析をしていきたい」と述べ、専門家の意見を踏まえて検討を進めていく考えを示しました。

ホテルか自宅か統一基準を早急に検討

さらに、東京都の小池知事は、新型コロナウイルスに感染したものの医師から入院の必要がないと判断された人について、ホテルで療養してもらうか自宅で療養してもらうかの統一した基準を早急に検討する考えを示しました。

13日に開かれた都の会議の中で、専門家は「無症状や軽症の患者の入院で病院がかなりひっ迫してきている」として、医師から入院の必要がないと判断された人について、ホテルで療養してもらうか自宅で療養してもらうかの統一した基準を定めて運用する時期に来ていると指摘しました。

これについて、小池知事は14日の記者会見で「保健所も濃厚接触者の調査なども含めてフル回転している状況だ。これらの目安については、専門家の意見を伺いながら早急に検討していきたい」と述べ、統一した基準を早急に検討する考えを示しました。

小池都知事 医療提供体制確保で国に支援を要望

東京都の小池知事は、新型コロナウイルスの感染拡大で医療機関の負担が増しているとして、国に対して十分な医療提供体制を確保するための支援を要望しました。

小池知事は14日午後、西村経済再生担当大臣と加藤厚生労働大臣と相次いで会談しました。

この中で、小池知事は都内ではすべての年齢層に感染が広がり、患者を受け入れる医療機関の負担が増しているとして、十分な医療提供体制を確保するための支援を要望しました。

具体的には病床の確保や人工呼吸器の整備などに充てる「緊急包括支援交付金」について、今後の感染状況や医療機関のニーズを踏まえ、必要な財源を手当てすることなどをあげています。

また、小池知事は東京オリンピック・パラリンピックに向けた感染症対策として、出入国の管理体制を強化するなど水際対策の徹底を要望しました。

西村経済再生相 “保健所の負担軽減する必要”

西村経済再生担当大臣は、記者会見で、東京都の小池知事から医療提供体制の確保などについて要請を受けたことについて、「60歳以上の人たちへの感染が増えていることの懸念を共有した。また、重症の患者についても、新規感染者の数が高い水準が続けば、重症者の数も遅れて増えてくるので、病床もしっかり確保してもらいたい」と述べました。

また、西村大臣は、新たな感染者のうち、自宅での療養を希望する人が増えており、健康観察などの保健所の負担を軽減する必要があるとして、国としても支援していく考えを示しました。