8月の3連休 都道府県またいだ移動 去年の半分近くに減少

8月の3連休 都道府県またいだ移動 去年の半分近くに減少
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新型コロナウイルスの感染拡大で帰省や旅行を控える動きが広がる中、人々が実際にどの程度控えているのか、ビッグデータで明らかになりました。NHKがNTTドコモのデータを使って、今月10日までの3連休に、都道府県をまたいで移動をした人の数を分析した結果、去年の同じ時期の55%と、半分近くに減っていることが分かりました。
NHKはNTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたデータを基に、都道府県をまたいで移動した人の数を、今月10日までの3連休(8月8日~10日)と、去年同じ時期の3連休(8月10日~12日)で比較して分析しました。
※正午から午後4時までの平均の人数を基に割合で比較。

その結果、今月10日までの3連休に都道府県をまたいで移動した人の数は、すべての都道府県で減少していて、全国では去年の同じ時期の55%と半分近くに減りました。

人数で推計すると、およそ1220万人が670万人に減ったことになります。
また、ほかの都道府県から入ってきた人は、
▽秋田県で去年の同じ時期の28%ともっとも減ったほか、
▽新潟県が33%
▽青森県が35%
▽山形県と鹿児島県が36%
▽宮崎県と岩手県、長崎県が37%に減るなど、
全国で29の県で50%以下に減っていました。
一方で、減少幅が小さいのは、東京や大阪などの大都市周辺で、
▽埼玉県と奈良県で去年の74%
▽神奈川県が71%
▽京都府が67%
▽千葉県が66%などとなっています。

ビッグデータから全国で人の移動が減少する中、東京や大阪といった大都市圏では影響が少ない一方、離れた県では影響が極端に大きくなっていることが読み取れます。

人の移動の分析に詳しい早稲田大学の佐々木邦明教授は、新型コロナウイルスの影響で地方への帰省や旅行を実際に控えていることがデータで裏付けられたとしたうえで、「こうした傾向は今後も続くと予想されるため、影響の大きい地方では観光業をはじめ、地域経済をどう回復させていくのか、地元や近隣の県をターゲットに人を呼び込むなど、その地方に応じた対策が求められる」と指摘しています。

どの都道府県に移動か?

都道府県またぎの人の移動を示すビッグデータからは、特定の県からどの都道府県に移動したかについても分析することができます。

東京の人は?

今月10日までの3連休、東京の人の移動は去年の同じ時期と比べて、どのように変化したのか。

まず、東京にいる人は去年より11%増えていて、推計で100万人近く多くとどまっているとみられます。

東京から別の道府県への移動はすべてで減少し、
▽秋田県が去年の同じ時期の14%ともっとも減ったほか
▽岩手県が16%
▽山形県と青森県、鳥取県が18%
▽徳島県と福井県が20%などと大幅に減っています。

一方で、東京に隣接する県では減少幅が小さく、
▽埼玉県が85%
▽神奈川県が84%
▽千葉県が76%
▽山梨県が60%でした。

大阪の人は?

こうした傾向は大阪府でも見られ、大阪の人の移動は府内にいる人が6%増えていることから、推計で40万人近く多くとどまっているとみられます。

大阪府から別の都道府県への移動はすべてで減少し、
▽宮崎県が去年の同じ時期の25%と、もっとも減ったほか、
▽秋田県と島根県、鹿児島県が26%
▽長崎県と愛媛県、山形県が27%などと大幅に減っています。

一方で、大阪府に隣接する県では減少幅が小さく、
▽奈良県が83%
▽京都府が82%
▽兵庫県が75%などとなっています。

愛知の人は?

また、愛知県の人の移動は県内にいる人が8%増えていることから、推計で40万人余りが多くとどまっているとみられます。

愛知県から別の都道府県への移動はすべてで減少し、
▽秋田県が去年の同じ時期の18%ともっとも減ったほか
▽宮崎県で21%
▽愛媛県と長崎県、岩手県で24%などと大幅に減っています。

一方で、愛知県に隣接する県では、
▽岐阜県が65%
▽三重県が56%
▽静岡県が51%などとなっています。

都道府県ごとのデータ

ほかの都道府県から流入してきた人について、ことし8月8日から10日までの3日間の平均を、去年の8月10日から12日まで3日間の平均と比較しています。

▽秋田県28%
▽新潟県33%
▽青森県35%
▽山形県36%
▽鹿児島県36%
▽宮崎県37%
▽岩手県37%
▽長崎県37%
▽富山県40%
▽徳島県41%
▽沖縄県41%
▽福井県41%
▽愛媛県42%
▽高知県42%
▽石川県43%
▽福島県44%
▽島根県44%
▽宮城県45%
▽広島県45%
▽福岡県45%
▽熊本県45%
▽山口県46%
▽長野県46%
▽大分県47%
▽北海道47%
▽鳥取県48%
▽香川県49%
▽愛知県49%
▽岡山県50%
▽静岡県51%
▽三重県52%
▽岐阜県55%
▽大阪府57%
▽兵庫県57%
▽茨城県59%
▽山梨県59%
▽佐賀県60%
▽和歌山県62%
▽東京都63%
▽栃木県63%
▽滋賀県64%
▽群馬県64%
▽千葉県66%
▽京都府67%
▽神奈川県71%
▽奈良県74%
▽埼玉県74%