「核兵器使用のリスク かつてなく高まる」国連事務次長が懸念

「核兵器使用のリスク かつてなく高まる」国連事務次長が懸念
国連で軍縮を担当する中満事務次長が都内で記者会見し、核軍縮の現状について、核大国間の対立が深まり、すべての核保有国が多くの資金を投入して核兵器の近代化を進めているとして強い懸念を示しました。
中満泉事務次長は原爆投下から75年の節目に広島と長崎の平和式典に出席したあと、11日に都内にある日本記者クラブで記者会見に臨みました。

中満氏は冒頭、「アメリカとロシアの対立に加えて、アメリカと中国の対立が深まっている。また、すべての核保有国が多くの資金を投入して核兵器の近代化を進めていて、数ではなく質的な軍拡競争が始まりつつある」と述べて、世界は新たな核軍拡に向かっているという現状認識を示しました。

さらに「『低出力核』という威力を抑えた核兵器の限定的な使用が可能だという印象さえ生まれつつあり、核兵器が実際に使われるリスクがかつてなく高まっている」と述べて、国際社会が積み上げてきた軍縮の規範が崩壊しつつあると強い危機感を表しました。

そのうえで中満氏は来年2月に有効期限を迎える米ロの核軍縮条約「新START」について、「米ロには核大国としての特別な責任がある」として、5年間の延長で合意することが不可欠だと強調しました。

中満事務次長は広島と長崎で被ばく者と面会した際、核廃絶に向けて果たしてきた努力に最大限の敬意を伝えたと明らかにし、国連としても被爆の現実を次の世代に継承する活動にしっかりと取り組んでいく考えを示しました。