レバノン首都での大規模爆発から1週間 首相は内閣総辞職を発表

レバノンの首都ベイルートで大規模な爆発が起きてから11日で1週間となります。これまでに158人が死亡、6000人以上がけがをする事態に、政府への批判が高まっていて、レバノンの首相は、内閣の総辞職を発表しました。
レバノンの首都ベイルートの港で今月4日、大規模な爆発が起き、これまでに158人が死亡、6000人以上がけがをしたほか、数十人が行方不明となっています。

原因については、依然、明らかになっていませんが、爆発があった倉庫には、政府が押収した爆薬の原料にもなる化学物質、「硝酸アンモニウム」が長期間、大量に保管されていたことから、ずさんな管理が爆発を招いたとして政府への批判が高まり、連日、激しい抗議活動が続いています。

これを受けて、レバノンのディアブ首相は10日、テレビ演説で、「この爆発の責任を取るべきだという国民の意思を受け入れる」と述べ、内閣の総辞職を発表しました。

しかし、レバノンでは危機的な経済状況や汚職のまん延で、以前から政府に対する国民の不満が高く、内閣総辞職が発表された後も抗議活動が収まる見通しは立っておらず、政治と社会の混迷が深まっています。

大けがの女性「死ぬと思った」

港に近いビルに住んでいたサリーン・デルメスロビアンさん(31)は今回の爆発で、全身に200か所を超える傷を負ったということです。

爆発は複数回起きたことが目撃者などの証言でわかっていますが、サリーンさんは、1度目の爆発で現場を確認しようと自宅の窓に近寄った後、再び起きたみられる爆発で意識を失ったということです。

その後は、周囲が煙で真っ暗だったことや、いつの間にか建物の外に出て道路に横たわっていたことなどを、断片的に覚えているということです。

その時のことについて、サリーンさんは、「このままでは死んでしまうと思ったので、何とかしなければと考え、『死にたくない』と大声で叫びました。みんなショックを受けていてなかなか助けてもらえずに自力で歩き続けました」と語りました。

サリーンさんは、およそ1週間、入院したあと、10日に退院し、「私の生活はめちゃくちゃで、普通の生活に戻れるかわかりません。ただ、生きてここにいられることは神に感謝し、毎日、空をながめられることをうれしく思っています」と話していました。

市民からは責任追及の声

爆発から1週間となり、ベイルートでは、ボランティアによるがれきの撤去作業が続いているほか、NGOなどが食べ物を配るなどして被害を受けた人たちを支援しています。

ベイルートの市民からは、「完全に街が破壊され、悲惨な状態です。みんなで団結して、力を合わせるべきだと思う」という声も聞かれました。

一方で、「これだけ大きな災害なのに国は全く動いていない。1週間たっても電気すら復旧しない」などと政府の対応に不満を示す声や、「誰が責任を負うべきかわからないままだと、1週間がたち、1年がたっても痛みを感じ続けることになる」などと徹底した責任追及を求める声も出ていました。