ベラルーシ大統領選 現職の6選確実 対立が先鋭化

ベラルーシ大統領選 現職の6選確実 対立が先鋭化
k10012561111_202008101949_202008101950.mp4
旧ソビエトのベラルーシで行われた大統領選挙で現職のルカシェンコ大統領の6選が確実となりました。しかし、対立候補は「大規模な改ざんが行われた」として選挙結果を認めない考えを示し、両者の対立が先鋭化しています。
旧ソビエトのベラルーシで9日行われた大統領選挙は、強権的な統治を続け、6選を目指すルカシェンコ大統領に政治経験のない37歳の主婦、チハノフスカヤ氏などが挑む異例の展開となりました。

中央選挙管理委員会は10日、開票率84%の時点の得票率を発表し、現職のルカシェンコ氏が80.2%、チハノフスカヤ氏が9.9%で、ルカシェンコ氏の6選が確実となりました。

これについてチハノフスカヤ氏は10日、会見を開き、「大規模な改ざんが行われた」として、選挙結果を認めない考えを示しました。

またチハノフスカヤ氏の支持者ら数千人は、投票終了後、首都ミンスクなどで「不正な選挙だ」と抗議の声をあげ、治安部隊がゴム弾や放水車を使ってデモ隊の排除に乗り出し、激しく衝突しました。

抗議活動は10日未明まで続き、ベラルーシの人権団体などによりますと、1人が死亡、数十人がけがをし、全国でおよそ3000人が拘束されたということです。

ルカシェンコ大統領は65歳で、1994年から5期26年にわたって大統領をつとめていますが、強権的な政治手法に加え、新型コロナウイルス対策では、「ウォッカを飲めばウイルスを除去できる」などと発言し、国民の批判が強まっていました。
ベラルーシ大統領選挙の結果をめぐってチハノフスカヤ氏の陣営責任者は、9日行った記者会見で、開票終了後に投票所に貼り出された公式な書面を確認したところ、複数の投票所でチハノフスカヤ氏の得票がルカシェンコ大統領を上回っていたと指摘し結果は不正だと強調しました。

それによりますと首都ミンスクにある投票所ではチハノフスカヤ氏の得票が1226票だったのに対してルカシェンコ大統領は394票となるなど、合わせて3か所の投票所でチハノフスカヤ氏が上回っていたことが確認できたということです。

また、インターネットメディアは、投票所に貼り出された書面を撮影したとする写真を公表し、このうちミンスクにある別の投票所ではチハノフスカヤ氏はルカシェンコ大統領の得票の4倍にあたる1725票を獲得していたとしています。

こうした報道を受けて、市民らは「チハノフスカヤさんが数%の得票率なんてありえない」などと書き込んでいます。さらに投票所の監視員だったアンナ・ススリナさんはヨーロッパメディアの取材に対して「投票所の学校に入ることすら許されなかった」と述べ投票の透明性は確保されなかったと当局の対応を批判しました。

ポーランド首相 緊急EU首脳会議を要求

ベラルーシで、大統領選挙が不正だとして抗議活動を行っていた市民が治安部隊と激しく衝突したことを受けて、隣国ポーランドのモラウィエツキ首相は10日、声明を発表し「当局は改革を求める市民に対して武力を行使した。自由を求めるベラルーシの人々を支持すべきだ」と述べました。

そのうえで、緊急のEU首脳会議を開いて対応を協議すべきだとして、EUのミシェル大統領やフォンデアライエン委員長に書簡を送ったことを明らかにしました。

中国 「鉄のように固い友好国」友好関係を強調

ルカシェンコ大統領の当選が確実になった10日、中国の習近平国家主席はいち早く祝電を送り、中国外務省によりますと、「両国関係を極めて重視しており、ルカシェンコ大統領とともに手を携えて全面的な戦略的パートナーシップを推進していきたい」と述べました。

また中国外務省の趙立堅報道官は10日の記者会見で、「全面的な戦略的パートナー、そして鉄のように固い友好国として、中国は一貫してベラルーシの人々の選択を尊重する」と述べ、特別なことばを使って友好関係を強調したうえで、「ともに努力してさまざまな分野での協力をさらに深めていきたい」と述べて、一層の関係強化に意欲を示しました。

プーチン大統領が祝電

ルカシェンコ大統領の当選が確実になったことを受けて、隣国ロシアのプーチン大統領は10日、祝電を送り「経済や安全保障の分野でさらに協力関係を発展させることが、兄弟民族の利益にかなう」と祝意を伝えました。