高知 よさこい祭り コロナで中止も商店街で踊り披露

高知 よさこい祭り コロナで中止も商店街で踊り披露
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高知の夏の風物詩、よさこい祭りは、新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが、祭りの雰囲気を少しでも感じてもらおうと、商店街のよさこいチームが踊りを披露しました。
よさこい祭りは、全国からおよそ1万8000人の踊り子が参加する高知県内最大の祭りで、10日から本番が始まる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で、昭和29年に始まって以来初めて中止となりました。

10日は、高知市中心部の商店街の3つのよさこいチームが、訪れた人たちに祭りの雰囲気を少しでも感じてもらおうと商店街で踊りを披露しました。

訪れた人たちは足を止めて、華やかな衣装を身にまとった踊り子たちの躍動感あふれる踊りを楽しんでいました。

催しを企画した商店街の商店主などで作る「協同組合帯屋町筋」は、感染防止策として、人が集まり過ぎないように事前の告知は行わなかったほか、踊り子は1チーム最大16人までとし、見物客でマスクを持っていない人にはマスクを配ったということです。

大阪から帰省している50代の女性は「祭りが中止になってさみしく思っていましたが、迫力ある踊りを見られてよかったです」と話していました。

また、「協同組合帯屋町筋」青年部の曽我佳弘さんは「よさこいがないと、高知の夏は始まらないし終わらないので、踊りを披露できてうれしかったです。来年は祭りが開催できることを願っています」と話していました。

「商店街を何とか盛り上げたい」2か月検討し開催

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ことし4月下旬、高知の夏の風物詩よさこい祭りの中止が決まりました。

よさこい祭りの経済波及効果は96億円に上るという試算もあり、祭りの中止は高知の経済にとって大きな打撃となっています。

こうした中、高知市中心部の商店街の商店主などで作る「協同組合帯屋町筋」青年部の曽我佳弘さん(41)たちは、商店街を何とか盛り上げようと、2か月ほど前から、よさこい鳴子踊りを披露する催しを開けないか検討を続けてきました。

親が店を営んでいた商店街のチームで3歳からよさこいを踊り始め、それ以来、よさこいとともに歩んできた曽我さん。組合のメンバーと開催の可否や感染防止策について何度も話し合い、直前まで高知県内の感染状況を確認したうえで催しを開くことにしました。

曽我さんは「ずっとやってきた、よさこいなので、少しでも、よさこいの雰囲気を出せるようにして成功させたいと思っています」と話していました。

感染防止策としては、人が集まり過ぎないように事前の告知は行わず、参加するチームを絞ったうえで踊り子は1チーム最大16人までとし、踊り子どうしの間隔もこれまでより空けることにしました。また、会場にスタッフを配置して見物客が密にならないようにするほか、マスクを持っていない人にはマスクを配ることにしました。

そして、迎えた本番。商店街を訪れていた人たちは、よさこいに欠かせない楽器「鳴子」の音に気付くと、驚いて足を止め、うちわを振ったり手拍子をしたりして、息の合った踊りを楽しんでいました。

商店街のチームのメンバーでもある曽我さんはマイクを握り、見物客にマスクを着用して密集しないように呼びかけたあと、生き生きとした様子で掛け声を出しながらチームを盛り上げていました。

踊りを披露したあと曽我さんは「よさこいは街を盛り上げようと始まり、形を変えて進化してきた祭りなので、新型コロナの影響を受けた街を盛り上げられるように、これからも続けていきたい」と話していました。

オンラインで1000人が踊るイベントも

中止になったよさこい祭りの代わりに、オンラインで多くの人がつながり一緒によさこいを踊ろうというイベントも開かれています。

よさこい祭りの振付師などで作る「よさこい8実行委員会」は、祭りの中止が決まった直後のことし5月、100人近くが参加してオンラインでよさこいを踊るイベントを開きました。

10日と11日の午後8時からも、オンラインで1回当たり最大1000人の踊り子が参加するイベントを開くことにしていて、インターネットでライブ配信される予定です。