お盆休みの公共交通機関の利用 大幅減少の見込み

お盆休みの公共交通機関の利用 大幅減少の見込み
8日からまとまって休みを取る人が多くなりますが、鉄道や空の便など公共交通機関の利用は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大幅に減少する見込みです。
JR東京駅の新幹線のホームは、7日の日中、子ども連れで実家に帰省する人などの姿が見られましたが、例年と比べて利用者はまばらになっています。

新潟県の実家に両親の墓参りに行くという59歳の会社員の男性は「仕事の関係で、お盆の時期しかまとまった休みがとれない。ことしは滞在日数を減らして親戚との会食もすべてキャンセルし、実家に暮らす兄と2人だけで静かに過ごします」と話していました。

また、貨物船の乗務を終えて2か月ぶりに青森県の実家に帰るという57歳の男性は、フェイスシールドをつけていました。男性は「実家には子どもや妻、80代の両親も同居している。もし移動中に感染してしまったら、家族のほかに同僚の船員にも迷惑をかけてしまうので、フェイスガードを購入した。とにかく感染対策を徹底したい」と話していました。
男性は、車内に入ると、除菌シートで座席のひじ掛けや手すりなどを入念にふいていました。

7日から17日までのJR各社の新幹線と在来線の特急列車の指定席の予約状況は、去年の同じ時期のおよそ2割にとどまり、記録が残る平成8年以降、最も少なくなっています。

羽田空港では

一方、羽田空港の出発ロビーでは、帰省する家族連れや学生の姿が見られましたが、例年と比べて利用客は大幅に減少しています。

第2ターミナルを発着する全日空によりますと、利用者が密を避けられるようにホームページで羽田や新千歳など、国内の6つの空港の混雑状況を調べることができるようにしたほか、チェックインカウンターや搭乗ゲートなどで間隔をとるための足元のマークを増やしたということです。

しかし、新型コロナウイルスの感染者数が全国的に増加している影響で予約のキャンセルが相次いでいて、下りのピークの8日も、利用客は例年の4割程度にとどまる見込みです。

4歳の子どもと実家に帰省する神奈川県の40代の女性は「仕事はテレワークで、ふだんは、ほとんど外に出ないようにしています。1週間程度の滞在中、キャンプやお墓参りに行く予定です。極力遠出せず、屋外で過ごそうと思います」と話していました。

また、小学生の子ども2人を連れた千葉県の30代の女性は「冬休みも春休みも帰省をとりやめました。また次の冬には帰ることができなくなるかもしれないので、この夏は帰ることにしました。マスクの着用と手洗い、うがいをしっかりして、実家でゆっくり過ごします」と話していました。

ANAエアポートサービスの久沢弘太郎旅客サービス部長は「毎年、この時期に向けて準備をしてきているので非常に残念です。例年はロビーがお客様で埋まりますが、あす、あさってでも搭乗率は4割という、今までにない事態です」と話しています。