新型コロナワクチン 国内で1月から3月の供給に向け体制整備へ

新型コロナワクチン 国内で1月から3月の供給に向け体制整備へ
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イギリスの製薬大手「アストラゼネカ」が開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、日本国内で来年の1月から3月にかけて最初の供給を行えるよう体制を整備する方針であることが厚生労働省への取材でわかりました。国内でのワクチン供給の見通しが具体的に明らかになるのは初めてで最初の3か月でまず3000万回分が供給されるということです。
供給の見通しが明らかになったのはイギリスの製薬大手「アストラゼネカ」とオックスフォード大学が開発を進めているワクチンで、海外の一部の国ではすでに最終段階の臨床試験に入っています。

このワクチンについて、日本国内では8月から臨床試験を始めるとともに供給に向けた体制を整備するということで、厚生労働省によりますと開発が順調に進めば来年の1月から3月にかけて最初の供給を行えるよう体制を整備していく方針だということです。

最初の3か月でまず3000万回分が供給され、最終的には合わせて1億2000万回分が供給されるということです。

国内でのワクチン供給の見通しが具体的に明らかになるのは初めてです。

1人当たりの接種が必要な回数は1回か2回になる予定で、ワクチンが何人分に相当するかは決まっていません。

国内へのワクチン供給をめぐっては、7月末にもアメリカの製薬大手「ファイザー」との間で、開発に成功した場合6000万人分の供給を受けることで基本合意しています。

開発担当者「できるだけ早く開始したい」

アストラゼネカで、日本での新型コロナウイルスのワクチン開発を担当する田中倫夫執行役員はNHKの取材に対し「臨床試験が終われば、早ければ来月にもイギリスで供給が始まるかもしれない。日本への供給もできるだけ遅れないよう早く開始したい」と話しています。

そのうえで「有効性と安全性は、必ずセットで考えるべきだが、日本人のデータは非常に限られたものになる可能性が高い。期待されているワクチンの有効性と新型コロナウイルスの脅威を考えれば、前に進むべきだと考えているが、限られたデータでどういう安全対策を打てるかを厚生労働省と議論して、得られた情報をできるだけタイムリーに開示していくことをいちばんに考えたい」と話しています。