新型コロナ 厚労省専門家会合 一部で感染急速拡大 憂慮と評価

新型コロナ 厚労省専門家会合 一部で感染急速拡大 憂慮と評価
新型コロナウイルス対策について厚生労働省に助言する専門家の会合が開かれ、愛知県や福岡県、沖縄県など一部の地域で急速に感染が拡大し、憂慮すべき状況だと評価しました。病床の拡充など十分な医療提供体制の確保が必要だとしています。
6日開かれた会合では、感染状況を正確に示すとされる患者が発症した日ごとの人数のデータや、1人の感染者から平均何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」のデータをもとに、専門家が現在の感染拡大の状況について評価をまとめました。

それによりますと、全国的に感染者の増加傾向が続き、愛知、福岡、沖縄など一部の地域では急速に拡大していて、3月や4月の状態に近くなっており、憂慮すべき状況だとしています。

また、入院患者の増加に伴い、確保された病床に占める入院患者の割合も、東京や大阪、それに愛知や福岡、沖縄で40%前後になっていて、重症患者は少ない状況にあるものの、一部の地域では医療提供体制がひっ迫する懸念があるとしています。

さらに、PCRなどの検査の件数は、直近の1週間で、全国で12万7700件と50%近く増えている一方で、陽性と判定される割合の「陽性率」も6.7%と上昇しています。

こうしたことから、専門家の会合は、病床や宿泊療養施設など十分な医療提供体制の確保、それに重症化リスクの低い患者が自宅療養を適切に受けられる体制の整備が必要だとしています。

脇田隆字座長は「きょうの会合では、感染が長引く状況にあるという分析があった。新たな感染者の数を減少させるための対策が早急に求められている」と話しています。