大手銀行 個人間の振り込み手数料引き下げに向け 仕組み検討へ

大手銀行 個人間の振り込み手数料引き下げに向け 仕組み検討へ
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大手銀行が個人間の振り込み手数料の引き下げに向け、連携することになりました。お金をやり取りする際に使われるいまの大がかりなシステムとは別に、少ない金額を送金するための新たな仕組みづくりの検討に着手します。
これは、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、それにりそな銀行と埼玉りそな銀行が6日そろって発表しました。

それによりますと、5つの銀行は、スマホのアプリから少ない金額を個人間で送る際、いまの振り込み手数料よりもより安い手数料で送金できる新たな仕組みの検討を主導していくとしています。

個人などがほかの銀行の口座にお金を振り込む場合、いまは主に「全銀システム」と呼ばれる大がかりなシステムが使われています。

しかし、このシステムを使う銀行間の手数料が40年以上変わっておらず、結果的に個人が支払う振り込み手数料の高止まりにつながっていると指摘されています。

一般的に他行への振り込みは、インターネットバンキングを利用するケースだと、例えば、3万円未満の場合は1件あたり税込み220円かかっていて、各行は今後、新たな仕組みと合わせて、手数料の水準を検討する方針です。

記者会見した三菱UFJ銀行決済推進部の加藤忠次長は、「地域金融機関や決済サービスの事業者に幅広い参加を呼びかけ、利用者にとって安価で便利な決済インフラを構築したい」と述べました。

「J-Debit」の基盤の活用を検討

5つの銀行が検討に着手する個人間の送金の新たな仕組みは、スマホなどを使った少額で、回数の多い送金が対象となります。

銀行のキャッシュカードを使って代金を支払うと、即座に口座から現金が引き落とされる「J-Debit」というシステムの基盤の活用を検討しています。

すでに1000を超える金融機関が提供しているこのシステムを活用して、利用者が携帯電話の番号やメールアドレスなどを使って、より簡単に、低い手数料で送金できる仕組みを目指しています。

スマホアプリを使った決済や送金のサービスは、IT企業からも参入が相次ぎ、例えば会食の際の「割り勘」など、少ない額を日常的に送金したいというニーズも高まっています。

このため大手銀行としては、地方の金融機関やIT企業にも、新しい仕組みに幅広く参加してもらうことでキャッシュレス決済の普及にもつなげたい考えです。

ATMや窓口の振込手数料はどうなる

ATMや窓口での振込手数料はどうなるのでしょうか。

そもそも、銀行間のお金のや取りには「全銀システム」と呼ばれるネットワークが使われています。

このシステムを使う場合、お金を振り込む側の銀行が、振り込まれる側の銀行に「銀行間振込手数料」を支払う必要があります。

手数料は3万円未満の場合、一件あたり117円、3万円以上の場合は162円です。

利用者が支払う「振込手数料」は、この「銀行間振込手数料」をもとに決められていて、三菱UFJ銀行の場合、3万円未満の振り込みでATMでキャッシュカードを使うと275円、店舗の窓口では660円の手数料を負担する必要があります。

しかし「銀行間振込手数料」が、およそ40年以上、固定化されているため、利用者が負担する手数料も高いままになっていると指摘されています。

公正取引委員会はことし4月、全銀システムを通じた銀行間手数料の引き下げを事実上求め、政府もことしの「成長戦略」に手数料の引き下げを明記しました。

このため銀行業界では、少ない金額を送金するための新たな仕組みづくりの検討に加えて、40年以上固定化されている「銀行間振込手数料」の見直しも進めていて、結果によってはATMや窓口での振り込み手数料も下がる可能性があります。