広島で被爆した男性 初めて当時の体験を語る 千葉

広島で被爆した男性 初めて当時の体験を語る 千葉
広島に原爆が投下されて75年となる6日、千葉市で被爆者の体験を聞く会が開かれ、7歳のときに広島市で被爆した男性が当時の体験を初めて語りました。
これは千葉県内に住む被爆者らでつくる「千葉県原爆被爆者友愛会」が毎年、開いているもので、ことしは新型コロナウイルスの感染が広がるなか、千葉県庁で座席数を制限するなどの対策をとったうえで開かれました。

7歳の時、爆心地から1.5キロほどの広島市の自宅で被爆した重田忠治さん(82)は6日、当時の体験を初めて語り「鏡台で化粧をする母と一緒にいたとき、家の周りを火の玉が渦を巻くように囲み、強烈な爆風が吹いた。全壊した家の下敷きになったが柱とはりの間の隙間から見えた空を目指して脱出した」と原爆の投下直後の様子を振り返りました。

また、翌日、自宅の離れで父親の遺体を発見し、涙に暮れながら遺骨を集めて焼け跡から見つけたつぼに入れた体験などを語り、参加した人たちが熱心に耳を傾けていました。

友愛会によりますと学校などで毎年300回ほど行っている講演は、新型コロナウイルスの影響でほとんど中止になっているということで、佐倉市の男子高校生は「きょう聞いた内容を周りの人にも伝えていきたい」と話していました。

この会は7日も開かれることになっていて、会場では広島の高校生が被爆者からの聞き取りをもとに描いた絵の展示も行われています。