東京在住の被爆者 新型コロナで広島への訪問諦め自宅で祈り

東京在住の被爆者 新型コロナで広島への訪問諦め自宅で祈り
広島に原爆が投下されて75年となる「原爆の日」の6日。新型コロナウイルスの影響で広島への訪問を諦め、都内の自宅で祈りをささげる被爆者の姿が見られました。
広島市の出身で東京 稲城市に住む濱住治郎さん(74)は母親のおなかの中で被爆した胎内被爆者で、父親の正雄さん(当時49)を爆心地からおよそ500メートルの場所で亡くしました。

毎年8月6日は広島市の平和公園で行われる平和記念式典に参列してきましたが、ことしは新型コロナウイルスの影響で、参列者の座席数が例年の1割に満たない規模まで縮小されたことや、感染のリスクも考慮して、濱住さんは東京から広島に向かうことを諦めました。
6日は、都内の自宅で式典のテレビ中継の様子を見つめ、原爆投下の午前8時15分には立ち上がって黙とうをささげていました。
濱住さんは「広島に行けなかったことは残念ですが、安らかに眠ってくださいという父親への思いは伝わったと思います。子どもたちが平和への誓いで未来に核兵器は必要ないとはっきり言ってくれて励まされました。コロナの時代であっても一刻も早い核兵器廃絶に向けて決意を新たにしました」と話していました。