科学・文化

コロナで中止危機乗り越え “戦争語り継ぐ映画祭”始まる 東京

今月15日で終戦から75年となるのを前に、戦争をテーマにした映画祭が都内で始まりました。新型コロナウイルスの影響で中止も検討されましたが、主催者はインターネットで資金を募り、感染防止策を徹底して開催にこぎ着けました。
この映画祭は広島出身の会社員、御手洗志帆さんが、原爆投下など戦争について多くの人に知ってもらいたいと8年前から毎年、この時期に開いています。

ことしは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止も検討しましたが、「戦後75年の節目を大切にしたい」と、感染防止策を徹底したうえで開催することにしました。

間隔を空けるため観客の数を半分に減らさざるをえず、収入が大幅に減るためインターネットのクラウドファンディングで資金を募り、およそ45万円が集まりました。

しかし目標には100万円近く届かず、赤字分は御手洗さんがみずから負担するといいます。

初日の5日、会場の江東区文化センターには20人近くの観客が訪れ、手や指を消毒したり、検温したりしたあと1席ずつ間隔を空けて席に座り、新藤兼人監督がみずから体験をもとに戦争の悲劇を描いた作品、「一枚のハガキ」を観賞していました。

訪れた国立市の60代の女性は、「戦争のことを若い世代に伝えていくためにこうした映画祭は続けてほしいです」と話していました。
主催した御手洗さんは、「1本の映画が戦争を二度と起こさせない抑止力の1つになると信じています。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中ですが、いっときでも、75年前の出来事に思いをはせる機会にしてほしい」と話していました。

この「戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭」は、6日も江東区文化センターで行われるほか、今月9日には日本橋公会堂で開かれることになっていて、東京大空襲や沖縄戦、原爆などをテーマにした合わせて7つの作品が上映されます。

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