自民 臨時国会の早期召集に応じぬ考え伝える

自民 臨時国会の早期召集に応じぬ考え伝える
今後の国会審議をめぐって自民党と立憲民主党の国会対策委員長が会談し、自民党は臨時国会の早期召集には応じられないという考えを伝えました。一方、新型コロナウイルスの対応などを議論するため、閉会中審査には前向きな姿勢を示し、審議日程などを協議することになりました。
立憲民主党など野党4党は、新型コロナウイルスや豪雨災害への対応を議論すべきだとして、先週、憲法の規定に基づいて臨時国会の早期召集を求める要求書を提出しました。

こうした中、自民党の森山国会対策委員長と立憲民主党の安住国会対策委員長が、4日午後、今後の国会審議をめぐって会談し、安住氏は改めて臨時国会の早期召集を求めました。

これに対し森山氏は、国会で議論すべき法案などが定まっていないとして、早期召集には応じられないという考えを伝えました。

一方、安住氏が、国会を開かない場合でも、できるだけ早く安倍総理大臣に質疑を行う機会を設けるべきだとして、閉会中審査を求めたのに対し、森山氏は、新型コロナウイルスや豪雨災害への対応に関連する委員会で閉会中審査を行うことには前向きな姿勢を示し、両氏は5日に改めて会談し、審議日程などを協議することになりました。

自民 森山国対委員長「臨時国会 英との交渉の行方見極めながら」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し、「日本とイギリスの経済連携協定の交渉が大詰めを迎えていると理解しており、一定の成果があれば協定を批准することは極めて大事な課題だ。臨時国会が召集される可能性もあるのではないか」と述べ、イギリスとの交渉の行方を見極めながら、臨時国会の召集を検討する考えを示しました。

自民 世耕参院幹事長「まずは閉会中審査の充実を」

自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で、「自民党内でも新型コロナウイルス対策の特別措置法を改正して、休業要請などに一定の強制力を持たせるべきだという議論が行われているが、法改正に向けては一定の時間がかかり、準備ができていない。今の段階では審議すべき議案がなく、臨時国会を開く状況にはなっていない。まずは閉会中審査を充実させることが重要だ」と述べました。

立民 安住国対委員長「リーダーの姿勢として問題」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し、「法案や条約の承認案件がなければ、国会を開かないというのは、政府と与党のおごりだ。通常国会の閉会後、安倍総理大臣は国会で説明しておらず、危機の中のリーダーの姿勢として大きな問題がある。国会に出席し、質疑に応じるべきだ」と述べました。

菅官房長官「予算執行が大事」

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、「新型コロナウイルス対策と豪雨災害への対応に関係省庁を挙げて取り組む中で、先の通常国会で成立した今年度の予算や補正予算を執行していくことが極めて大事だ。国会での審議については、与党とも相談しながら対応したい」と述べました。

国民 玉木代表「法改正の必要 臨時国会開催求める」

国民民主党の玉木代表は記者会見で「新型コロナウイルスの感染拡大の防止と経済再生の両立を図るため、特別措置法と感染症法を改正する必要がある。安倍政権は危機感がなく、国民の命や健康、経済を守る気持ちがないと思う。野党で結束して、臨時国会の開催を強く求めていきたい」と述べました。

社民 福島党首「コロナ対応に『夏休み』はない」

社民党の福島党首は記者会見で「野党側は、憲法の規定に基づいて臨時国会の召集を要求しており、これを内閣が否定することはありえない。新型コロナウイルスの対応に『夏休み』はなく、各地で起きた豪雨災害に対応するためにも、臨時国会を召集すべきだ」と述べました。