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イタリア 96歳退役軍人が大学卒業 コロナ禍の中 称賛の声

イタリアで国内最高齢となる96歳の“大学生”が卒業しました。
第2次世界大戦の退役軍人で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、自宅でオンライン試験を受けるなどして単位を取得して卒業し、困難を乗り越え目標を達成する姿に称賛の声が寄せられています。
イタリア南部のパレルモ大学を卒業したのは、96歳のジュゼッペ・パテルノさんです。

イタリア国内で外出制限が緩和されたことから7月29日、大学がパテルノさんのために卒業式を開き、ひ孫ら家族が見守る中、卒業証書を受け取りました。

パテルノさんは第2次世界大戦中、20歳で海軍に入隊し、戦後は家族を養うため鉄道職員として働いてきました。
3年前、パテルノさんはこれまで実現できずにいた歴史と哲学の勉強がしたいとパレルモ大学に入学し、若い学生とともに授業を受け、愛用のタイプライターで論文を書く学生生活を送ってきました。

しかし、ことし3月、新型コロナウイルスの感染拡大でイタリア全土で外出が制限される事態となりましたが、パテルノさんは自宅で勉強を続け、慣れないパソコンを使ってオンラインで試験を受けるなどして卒業に必要な単位を取得しました。
戦争を生き延び、さらにウイルスに感染せず、96歳でみずからの目標を達成したパテルノさんの姿にSNS上では「学びに遅すぎることはない」とか、「感染拡大の中、卒業できたことはシチリアの伝説だ」といった称賛の声が寄せられています。

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