香港 選挙延期「コロナを口実の選挙操作」民主派反発強める

香港 選挙延期「コロナを口実の選挙操作」民主派反発強める
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香港政府はことし9月に予定していた立法会の議員選挙について、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に1年間延期すると発表しました。過半数の議席獲得を目指していた民主派は、選挙での躍進を阻止しようとする中国政府の意向を受けた判断だとして反発を強めています。
香港政府トップの林鄭月娥行政長官は31日夜、記者会見し、ことし9月6日に予定されていた立法会の議員選挙について「新型コロナウイルスの感染が広がっており、市民の安全を守るため」として1年間延期すると発表しました。

香港では6月末に施行された香港国家安全維持法のもとで政治活動への締めつけが強まり、30日には民主派の候補12人が政治的な立場を理由に選挙への立候補を取り消されたばかりで、中国による統制強化への市民の反発を追い風に過半数の議席獲得を目指していた民主派は厳しい状況に追い込まれています。

香港当局の一連の決定について民主活動家の黄之鋒氏は「中国政府は反対勢力の過半数獲得を阻止するため、さまざまな手段を取っている。選挙の延期は親中派が負けることを恐れているためだ。中国政府が議員を直接任命しようと考えていることは明らかだ」と述べ、民主派の躍進を阻止しようとする中国政府の意向を受けた判断だとして強く反発しました。

民主派の政党「公民党」も「香港の人々の選挙権を奪うもので、コロナ対策を口実としたあからさまな選挙の操作だ」などと今回の延期の決定を厳しく非難しています。

米「民主的プロセスと自由損なう」

アメリカ ホワイトハウスのマケナニー報道官は31日の記者会見で「香港の繁栄を支えてきた民主的なプロセスと自由を損なうものだ」と述べて、強く非難しました。

そのうえで「今回の行為は、香港の人々に自治権と自由を保障した約束を破り続けている中国政府の新たな一例にすぎない」と述べて、中国政府を批判しました。

ドイツ 香港との犯罪人引き渡し条約停止

香港政府が立法会の議員選挙の延期を発表したことについて、ドイツのマース外相は31日声明を発表し「香港の人々の権利をさらに侵害するものだ」と批判したうえで、香港との犯罪人引き渡し条約を停止することを明らかにしました。

声明でマース外相は、香港国家安全維持法のもとで政治活動への締めつけが強まり、逮捕者が出ていることについて「強く懸念している」とし、「自由で公正な選挙の権利は香港の人々に当然与えられるべきものだ」としています。

香港との犯罪人引き渡し条約をめぐっては、これまでにイギリスやオーストラリアなどが停止すると発表しています。