新型コロナ「見逃された死者少ないか」分析結果 厚労省研究班

新型コロナ「見逃された死者少ないか」分析結果 厚労省研究班
新型コロナウイルスによって死亡した人が見逃されていなかったかについて国立感染症研究所などのグループが、ことし4月までの死者の数を統計学的に分析したところ、国内全体では例年に比べて著しい増加は見られなかったとする分析結果を発表しました。
これは国立感染症研究所と東京大学などで作る厚生労働省の研究班が発表しました。

研究班では、過去のデータから統計学的に予想される死者数を実際の死者数がどれだけ上回ったかを調べる「超過死亡」と呼ばれる方法でことし1月から4月までの期間を分析しました。

分析ではアメリカとヨーロッパで使われている手法を応用し、届け出があったすべての死者数を予想される死者数と比較したところ、国内全体では著しい増加は無く、超過死亡はみられなかったということです。

一方で、都道府県ごとの分析では、4月の中旬から下旬にかけて東京で55人、千葉県で61人の超過死亡がみられたということです。

この時期は緊急事態宣言が出され、連日、新型コロナウイルスによる死者が報告されていて、グループによりますと、地域的には新型コロナウイルスによる死者の増加が影響している可能性があるということです。

分析の結果は国立感染症研究所のウェブサイトに掲載されるということです。国立感染症研究所は「国内全体でみると、把握できていない死者が多くいたという可能性は少ないと言える。5月以降も、分析を進めて、結果を公開していきたい」としています。