ALS嘱託殺人事件 死亡の女性 難病患者にSNSで苦悩を

ALS嘱託殺人事件 死亡の女性 難病患者にSNSで苦悩を
難病、ALSを患う女性を、医師2人が薬物で殺害したとされる嘱託殺人事件で、死亡した女性と逮捕された医師の両方とSNSでやり取りをしていた、自身も難病を患う女性がNHKの取材に答えました。死亡した女性は、病気のつらさや周囲に理解してもらえないという孤独を訴えていました。
いずれも医師の大久保愉一容疑者(42)と、山本直樹容疑者(43)は、去年11月、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALSを患う京都市の林優里さん(当時51)の依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして、嘱託殺人の疑いで逮捕されました。

事件前、林さんと大久保医師のそれぞれとSNSでやり取りをしていた九州地方の20代の女性が取材に答えました。

この女性は神経性の難病を患い、外国に渡航して安楽死することを望んでいるということで、林さんとは去年3月ごろからメッセージのやり取りを続けてきました。

やり取りで林さんは「私が死にたいと思う理由は、こんな身体で生きたくない、ただそれ一つだけです」と病気のつらさをつづったうえで「私がどれほどつらくて悔しいか聞いてほしいの!でもやっぱり患者にしか分からない。みんな自分のことで忙しいし」などと、周囲に理解してもらえない孤独を訴えていました。

一方、女性は大久保医師とも同じ頃からメッセージのやり取りをしていて、事件の1か月前の去年10月、林さんから安楽死の相談を受けたことを打ち明けられたということです。

女性が林さんの家族や生活の状況などを説明すると「直接行ってきますかね」とか「とにかく魂だけでも救ってきますわ」という返信がありました。

林さんとの連絡が途絶えたことを心配した女性が尋ねると、大久保医師は連絡を受けていないとしたうえで「寿命ですかな」「合掌」といったメッセージを送ってきたということです。

女性は「林さんには生きていてほしいと思ったこともありますが、最終的には本人が決めることを尊重することが優しさなんだと思います。難病患者の共通する苦悩として、孤独や疎外感とか、健常者からの扱いに憤りを感じたりすることはあります」と話していました。