午前9時半すぎの緊急地震速報は「誤報」 気象庁が陳謝

午前9時半すぎの緊急地震速報は「誤報」 気象庁が陳謝
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30日午前9時半すぎ、気象庁は関東や東海などの広い範囲で強い揺れが予想されるとして、緊急地震速報を発表しましたが、震度1以上の揺れは観測されませんでした。気象庁は「誤報」だとしたうえで「速報の処理において震源を本来と異なる位置に決定した。多大な迷惑をかけたことをおわびします」としています。
気象庁は30日午前9時38分ごろ、房総半島南方沖を震源とする地震があり、関東甲信越や東海、それに福島県で震度4から震度5強程度の強い揺れが予想されるとして、緊急地震速報を発表しました。

しかし、実際には体に感じる震度1以上の揺れは観測されませんでした。

速報が出る前の午前9時36分ごろには、鳥島近海を震源とするマグニチュード5.8の地震が発生していましたが、気象庁は、この地震をシステムが処理する際に、震源を本来と異なる房総半島南方沖に決定し、マグニチュードを過大に推定したとしています。

過去には同時刻に複数の地震が起きたことで、震源やマグニチュードの推定を誤る事例もありましたが、今回は、これにもあてはまらないということです。

気象庁は今回の発表を「誤報」だとしたうえで、加藤孝志地震津波監視課長が「国民の皆様には多大なご迷惑をおかけしたことをおわびいたします」と述べて陳謝しました。

緊急地震速報 誤りの経緯

気象庁によりますと、今回の緊急地震速報の誤りは、実際に発生した地震の震源の位置を、大きく異なる本州に近い場所に推定したことが原因だということです。

30日午前9時37分ごろ、伊豆諸島や房総半島沖で気象庁の地震の観測網が小さな地震波を観測しました。

これをもとに緊急地震速報のシステムが「房総半島南方沖」に震源を推定、地震の規模を示すマグニチュードも3.6から3.9と推定しました。

続いて午前9時38分ごろ、この震源から遠く離れた小笠原諸島の母島で大きな地震波が観測されます。

「房総半島南方沖」の震源は変更されていなかったため、システムは母島に大きな地震波が届いているとすれば、より規模の大きい地震が起きていると推定、マグニチュードを7.3と計算し今回の緊急地震速報が発表されたということです。

その後、各地の地震計のデータを解析したところ、この地震は30日午前9時36分ごろ伊豆諸島の鳥島近海を震源とするマグニチュード5.8の地震で、緊急地震速報のシステムが推定した震源よりも、南に450キロ離れていたことが分かったということです。

震源の位置を誤った原因について、気象庁は、海域で起きた地震で、陸地に比べて地震計が少なく、震源が決めづらかったことがあるとしています。

そのうえで、気象庁は「わずかな時間で地震の位置や規模を判断する必要があり、今後も海域で起きる地震で同じようなことが起きる可能性があるが、真摯(しんし)に改善策を考えたい。ただ、緊急地震速報が発表されているときは、地震が起きていると判断して身を守る行動をとってもらいたい」と話しています。