航空大手ANA 1088億円の最終赤字 移動自粛などコロナ影響

航空大手ANA 1088億円の最終赤字 移動自粛などコロナ影響
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航空大手のANAホールディングスは、先月までの3か月間の決算で最終的な損益が1088億円の赤字となりました。新型コロナウイルスの感染拡大で、利用者が大幅に減少しているためで、赤字幅は四半期決算として過去最大です。
ANAホールディングスが発表した先月までの3か月間の決算は、売り上げが前の年の同じ時期よりも75%減って1216億円、最終的な損益は1088億円の赤字となりました。

赤字幅は、ことし1月から3月の587億円の最終赤字を大きく上回り、四半期決算の開示を始めた2003年度以降で最大となりました。

新型コロナウイルスの感染拡大による世界各国の入国制限や、日本国内の緊急事態宣言などを受けて、4月から6月の利用者数が前の年の同じ時期と比べて国際線で96%、国内線で88%それぞれ減少したためです。

来年3月までの1年間の業績予想については、新型コロナウイルスの影響を見極めるのが困難だとして「未定」としています。

また、ANAは航空需要が感染拡大前の水準まで回復する時期を、国内線が来年度末、国際線が2023年度末と見込んでいるということです。

このため、引き続き旅客便の運休や減便を行うほか、従業員を一時的に休業させるなどして年間で2550億円のコスト削減を行うとしています。

ANA常務「回復傾向が足踏み」

テレビ会議の形式で会見を行ったANAホールディングスの福澤一郎常務は、新型コロナウイルスの影響について「国内線の需要の落ち込みは、緊急事態宣言が段階的に解除された5月に底を打った。しかし、再び感染が広がったことで、この夏場は回復傾向が足踏みしている。国際線は大きな状況の変化は見られない」と述べました。

そのうえで、「雇用を守りながら今の危機を乗り越える方針だ。人件費の削減について従業員に協力を要請し、引き続き、一時帰休やワークシェアなどを状況に応じて行っていきたい」と話しました。