中国 成都のアメリカ総領事館閉鎖 米中対立は新たな局面に

中国 成都のアメリカ総領事館閉鎖 米中対立は新たな局面に
中国政府は、内陸部の四川省 成都にあるアメリカ総領事館が閉鎖されたと発表し、新型コロナウイルスの対応や香港情勢などをめぐって激しさを増している米中の対立は新たな局面に入り、双方の在外公館が閉鎖される異例の事態となっています。
中国 四川省の成都にあるアメリカ総領事館は、中国側の要求に基づいて、27日午前、閉鎖され、中国外務省は、閉鎖のあと、当局者が正門から中に入って施設の接収、管理を行ったと発表しました。

これについて、中国外務省の汪文斌報道官は27日の記者会見で、「アメリカ側が、ヒューストンの中国総領事館を閉鎖させ、建物内に強制的に立ち入ったことへの正当で必要な対抗措置だ」と述べました。

そして、「両国がこの局面に至るのを目にしたくはなかった。責任は完全にアメリカ側にある」としたうえで、「アメリカは直ちに誤りを正し、両国関係を正常な発展の軌道に戻すための必要な条件を作り出すよう求める」と述べ、問題を解決する責任はアメリカ側にあるという立場を改めて示しました。

総領事館の閉鎖を前に、現地では26日、大型バスやトラックが相次いで出入りしていたほか、27日朝には、敷地内でアメリカ国旗が降ろされる様子も確認されました。

一方、中国にあるアメリカ大使館もツイッターで「きょう、成都の総領事館に別れを告げた。われわれはあなたたちのことを永遠に思い続けるだろう」と中国語で投稿しました。

新型コロナウイルスの対応や香港情勢などをめぐって、激しさを増している米中の対立は新たな局面に入り、双方の在外公館が閉鎖される異例の事態となっています。

中国の専門家「米のねらいは共産党の消滅」

中国の外交政策の専門家で、米中関係に詳しい中国人民大学の時殷弘教授は、NHKのインタビューに対し、アメリカの意図について「ポンペイオ国務長官の先の演説にはっきり表れているように、中国共産党を消滅させ、中国を『共産主義の国家』にしないようにすることにある」と指摘しました。

ただ、「中国共産党は国内で人々から広範に支持され、統制もきちんととれている」と述べ、アメリカ側のねらいは実現しないという見方を強調しました。

さらに時教授は、アメリカが、台湾について『1つの中国』の原則を認めなくなったり、南シナ海で軍事行動に出たりした場合は、両国関係に壊滅的な影響が出ると指摘したうえで、「こうしたことが起きる可能性は低い」としながらも、中国政府としては最悪の事態も想定して検討を続けていると述べました。

菅官房長官「在日公館には国内法令を尊重する義務」

菅官房長官は、午後の記者会見で、アメリカのポンペイオ国務長官が中国を強く非難する内容の演説を行ったことについて、「アメリカとは、中国を含む地域情勢について、常日頃から緊密に意思疎通をしてきており、今回の演説も注視している。現時点でのわが国の対応について、予断をもって発言することは差し控えるが、関係国と連携しつつ適切に対応していきたい」と述べました。

また、アメリカ政府が中国総領事館の閉鎖を命じたことに関連して、「日本国内の中国総領事館でも、スパイ活動などが行われる懸念はないか」と問われたのに対し、「特定の国の大使館などの活動についてコメントは差し控えたい。日本に設置されている各国の公館については、国際法上、接受国の国内法令を尊重する義務が課されており、その前提で、わが国としても、関係当局が連携し適切に対応している」と述べました。