鹿児島 与論町 来島自粛求めるも事態収束見通せず 新型コロナ

鹿児島 与論町 来島自粛求めるも事態収束見通せず 新型コロナ
新型コロナウイルスの感染者の確認が相次いでいる鹿児島県の離島、与論町では地元自治体や観光協会が島外からの訪問の自粛を強く求めていますが、事態の収束は見通せず、観光業への影響や台風など災害時の避難に懸念が広がっています。
与論町では、26日までの5日間で34人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。

県は、島で唯一の総合病院「与論徳洲会病院」や島内の飲食店でクラスターが発生した可能性が高いとしていて、厚生労働省のクラスター対策班が調査を進めています。

こうした中、与論町の山元宗町長はNHKの取材に対し、「医療体制が限られた島なのでまずは来島自粛へのご協力を改めて求めたい」と述べました。

その上で、事態の収束は見通せないとして「これ以上の感染をどうやって防ぐのかや、避難所での『三密』をどう避けるのかなど心配は尽きない」と述べ、高齢者が多いことや今後の台風シーズン中の避難態勢について懸念を示しました。

また、民宿経営者で地元観光協会の会長を務める永井新孝さんは「夏の観光シーズンになったばかりの時期に感染が拡大したことは観光業として大打撃だ」と述べ、観光業全体に影響が広がることへの不安を打ち明けました。

一方で、「今は、感染を広げないことが何よりも大切だと思っているので、観光業者としても来島の自粛を強くお願いしたい。状況が落ち着いてからたくさんの人に安心して島に来てもらえるよう島全体で協力していきたい」と話していました。