避難所に入れず… 約100人“再避難” コロナ対策で定員減 岐阜

避難所に入れず… 約100人“再避難” コロナ対策で定員減 岐阜
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今月8日、記録的な豪雨で全域に避難指示が出た岐阜県下呂市で、新型コロナウイルスの感染防止策として市が避難所の定員を減らしたため、避難してきた100人ほどが別の場所に“再避難”していたことがわかりました。
下呂市は今月8日の午前2時半、土砂災害のおそれがあるとして、市内全域の1万2156世帯3万1571人に避難指示を出しました。

市によりますと、中心部にある「下呂市民会館」は避難指示から1時間ほどで満員となり、市は車で避難してきた人などに別の避難所への移動を呼びかけたということです。

その結果、およそ100人が未明に雨が降り続く中で、2キロほど離れた「下呂交流会館」まで“再避難”する事態となりました。
新型コロナウイルスの感染防止策として「市民会館」では定員を400人から110人に減らして避難者どうしの間隔を空ける対策がとられ、市は避難指示に合わせて、住民にメールで「交流会館」への避難も案内していました。

ところが、これまで毎回「市民会館」への避難を呼びかけていたことから、多くの人がなじみのある避難所に来たとみられると説明しています。

下呂市役所下呂振興事務所の小畑一郎所長は「市民会館以外にも避難所を開設していることを事前に周知しておらず、想定以上の人が来て課題を残す結果となった。どのような状況でどの避難所を開設して避難を呼びかけるのか事前に周知して、市民に迷わせることがないように再発防止に努めたい」と話しています。

“再避難”余儀なくされた男性は…

下呂市中心部に住む曽我陽一さん(55)は、避難指示が出てすぐ、妻と高齢の両親とともに避難所の「下呂市民会館」に向かいました。

ところが市の職員に「新型コロナウイルス対策で密を避けるため、避難所にはこれ以上入れない」と説明され、「下呂交流会館」に車で“再避難”するよう指示されたということです。

集まった人たちに大きな混乱はなく、車に相乗りするなど互いに助け合って移動したということです。

幸いにも途中の道のりは危険な状態ではなかったということですが、曽我さんは雨が降り続く中での深夜の移動に「雨の中、高齢者が1人で移動するとなれば大変なことだと思った」と振り返っていました。

そのうえで「新型コロナウイルスが災害時の避難にも影響するのかと驚いた。今回の市の判断はやむをえなかったと思うが、今後は災害が起きる前に市と住民が話し合い、避難所を細かく分けて避難先を周知することが重要だと思う」と話していました。

専門家「全国どこでも起こりうる問題」

地域防災に詳しい岐阜大学の小山真紀准教授は「新型コロナウイルスと避難所対策の両立は全国共通の課題で、“再避難”の問題は全国どこでも起こりうる」と指摘しています。

そのうえで「住民たちは、分散避難が呼びかけられていても、緊急時には自身の経験などからこれまでと同じ避難所に避難してしまう。誰がどこに避難するのか、住民どうしがあらかじめ議論する場を行政が用意するべきだ」と呼びかけています。