北朝鮮に戻った脱北者に感染疑い 「責任転嫁か」韓国メディア

北朝鮮に戻った脱北者に感染疑い 「責任転嫁か」韓国メディア
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北朝鮮の国営メディアが、北朝鮮に違法に戻った脱北者が新型コロナウイルスへの感染の疑いがあると伝えたことについて、韓国軍は、北朝鮮に近い韓国側の島で、その人物のものとみられるかばんが見つかったと明らかにし詳しい経緯を調べています。韓国メディアは、これまで感染者はいないと主張してきた北朝鮮には、韓国側に責任を転嫁するとともに国際社会から支援を取り付けるねらいがあるとする見方を伝えています。
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、韓国に脱北した人物が、今月19日に南西部のケソン(開城)に違法に戻り、新型コロナウイルスに感染している疑いがあるとして、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が、ケソンを完全に封鎖したうえで最大限の緊急態勢をとるよう指示したと、26日伝えました。

これについて韓国軍は27日の記者会見で、北朝鮮に近い韓国北西部のカンファ(江華)島で、その人物のものとみられるかばんが見つかったと明らかにし、その周辺から北朝鮮側に渡ったとみて詳しい経緯を調べています。

この人物について、韓国の通信社、連合ニュースは、警察の話として3年前に泳いで脱北しソウル近郊で暮らしていた20代の男性で、知人の女性に暴力をふるった疑いで、先月、警察の調べを受けていたということで、今回、再び泳いで北朝鮮側に戻ったとみられると伝えています。

また、韓国メディアは、これまで感染者はいないと主張してきた北朝鮮には、感染発生の責任を韓国側に転嫁するとともに、国際社会から支援をとりつけるねらいがあるとする見方を伝えています。

菅官房長官「米韓などと連携し対応」

菅官房長官は午後の記者会見で「新型コロナウイルスに対する北朝鮮当局の対応ぶりを含め、北朝鮮をめぐるさまざまな動向については、最大限の関心を持って常日頃から情報収集と分析に努めている。アメリカ、韓国をはじめとする関係国とも緊密に連携しつつ対応していく」と述べました。