J1 名古屋 選手など3人コロナ感染 今夜の広島対名古屋が中止に

J1 名古屋 選手など3人コロナ感染 今夜の広島対名古屋が中止に
サッカーJリーグはJ1の名古屋グランパスで、新型コロナウイルスへの感染が選手を含めて複数確認されたとして、26日夜、広島市で予定されていたサンフレッチェ広島対名古屋グランパスの試合を中止することを決めました。新型コロナウイルスの影響で試合が中止になるのは、先月下旬の公式戦再開後、初めてです。
グランパスでは、24日、ディフェンダーの選手1人が新型コロナウイルスに感染し、他の選手やスタッフを対象にPCR検査を行った結果、新たに選手を含む2人の感染が確認されたということです。

これを受けてJリーグは、26日午後6時から広島市で予定されていたサンフレッチェ広島対名古屋グランパスの試合を中止することを決めました。

Jリーグでは、先月27日におよそ4か月の中断期間を経て公式戦を再開しましたが、再開後、新型コロナウイルスの影響で試合が中止になるのは初めてで、代替日は、27日以降、スタジアムの空き状況を確認して決める方針です。

26日の会見でJリーグの村井満チェアマンは「新型コロナウイルスの感染力の強さを現実のものとして受け止め恐ろしさを再認識した」と話しました。

そのうえでグランパスの感染防止の対応については「感染が確認された3人を含めて全員が適正に検査を受けていて濃厚接触を控えるような練習や試合運営を行っていた。クラブにかしはない」と述べて問題はなかったという認識を示しました。

一方で、今回の感染を受けて村井チェアマンは「検査で陽性が出たクラブは2週間に1回のPCR検査以外に、当面、短いスパンで検査を行う必要があると個人的には考えている」として、陽性が出たクラブでは検査の頻度を増やすようガイドラインを見直す可能性も示しました。

感染は選手2人とスタッフ1人

名古屋グランパスによりますと、新たに感染が確認されたのは、ミッドフィルダーの渡邉柊斗選手(23)と、トップチームのスタッフ1人の合わせて2人です。

グランパスでは、24日、ディフェンダーの宮原和也選手の感染が確認されたことから、選手やスタッフ、合わせて60人を対象にPCR検査を実施していました。

その結果、新たに2人の感染が確認されたということです。

このうち渡邉選手は、25日までの5日間、チームのトレーニングに参加していましたが、リハビリのため、すべて別メニューでの調整で、体温はいずれも36度台だったということです。

一方、トップチームのスタッフは宮原選手などほかの選手たちとともに、今月23日に行われた大分トリニータとのリーグ戦で大分市に遠征したほか、チーム練習にも参加していました。

このチームスタッフも体温は、25日までの5日間、いずれも36度台だったということです。

グランパスの小西工己社長は、オンラインでの記者会見で、「今回、感染が確認された2人の濃厚接触者の特定がはっきりとせず、Jリーグに14人の登録が難しいと伝え、判断をあおいだ。2人は外出を必要最低限にとどめていて、残念ながら感染力の怖さを実感している。あす再び全員のPCR検査を行い、その後も、検査を続ける。改めて感染予防対策の強化、徹底を図りながら、試合をやりきることを徹底していく」と話しました。

濃厚接触者の特定 間に合わず

感染が判明した選手とスタッフ、2人の濃厚接触者の特定が間に合わず、要項で定められた「14人の選手登録」という条件を名古屋グランパスが満たすのが難しかったことが試合が中止になった大きな要因です。

Jリーグの試合に関する実施要項では原則として「少なくともゴールキーパー1人を含む14人以上の選手を登録する」と定められていて、登録するためにはJリーグが2週間に1回行っているPCR検査で陰性の判定を受け、なおかつ陽性の判定が出た人の濃厚接触者ではないことなどを満たす必要があります。

今回の名古屋グランパスのケースでは選手やスタッフが新たに陽性と判明したのが、25日で、濃厚接触者の特定が間に合わず14人の登録選手を集めることが難しかったということです。

グランパスは来月1日の柏レイソル戦までに、複数回、PCR検査を行ってチーム内に感染が広がっていないか、警戒を続ける予定ですが、新たな感染者や濃厚接触者が出ると、今回と同様に試合が開催できなくなる可能性があります。

名古屋 リーグ戦再開前にも選手が感染

名古屋グランパスは今月のリーグ戦の再開を前に、先月、元日本代表のフォワード、金崎夢生選手と、ゴールキーパーのランゲラック選手の2人が相次いで新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。

全体練習を再開できたのが開幕3週間ほど前となり、急ピッチでのチーム作りが求められました。

ただ、昨シーズン途中に就任したフィッカデンティ監督のもと、チーム全体での守備の意識を高め「堅守速攻」の戦術が徐々に浸透し、ここ3試合はいずれも無失点で3連勝しました。

今シーズン、開幕6試合では4勝2引き分けと、負け無しの勝ち点14で、川崎フロンターレに続く2位と好調をキープしていました。

広島 城福監督「感染させないよう最善尽くし準備」

サンフレッチェ広島対名古屋グランパスの試合の中止が決まったことを受けて、広島市の試合会場では、午前11時すぎに中止を知らせる看板が設置されました。

試合を観戦する予定だったサンフレッチェのサポーターの男性は、「グランパスの選手が新型コロナウイルスに感染したので試合をできるのか心配になっていた部分もあった。ことしはしょうがないと思う」と話していました。

一方、サンフレッチェの選手たちは、午後4時すぎから試合会場で急きょ、練習を行いました。

練習後、サンフレッチェの城福浩監督は「この試合にむけて準備をしてきたので、中止になったのは残念だ。どこにコロナウイルスがあるかわからない状況の中、感染しない、感染させないよう最善を尽くし、次の試合に向けて準備をしていきたい」と話していました。

また、選手会長の荒木隼人選手は「感染がどう広がっているのか分からないので、気を引き締めたい。基本中の基本だが、手洗いやマスクの着用など体調管理を徹底していきたい」と話していました。