東京都 新たに366人感染確認 300人以上は初 新型コロナ

東京都 新たに366人感染確認 300人以上は初 新型コロナ
東京都は23日、都内で新たに366人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。都内で一日の感染の確認が300人以上となるのは初めてです。
東京都は23日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて366人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。都内で一日の感染の確認が300人以上となるのは初めてで、これまでで最も多かった今月17日の293人を73人上回りました。また、100人以上となるのは15日連続です。

23日は、90代までのすべての年代で、22日より感染が確認された人が増えています。
▽10歳未満は9人で1人増加、
▽10代は15人で6人増加、
▽20代は139人で53人増加、
▽30代は93人で35人増加、
▽40代は51人で20人増加、
▽50代は23人で3人増加、
▽60代は15人で1人増加、
▽70代は15人で5人増加、
▽80代は5人で3人増加しました。
▽90代は、22日はいませんでしたが、23日は1人の感染が確認されました。

366人のうち、
▽20代と30代は合わせて232人で、全体のおよそ63%を占め、
▽40代と50代は合わせて74人で、全体のおよそ20%となっています。

また、366人のうち、
▽およそ39%に当たる141人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、
▽およそ61%に当たる残りの225人は、これまでのところ感染経路がわかっていないということです。

濃厚接触者のなかで、
▽最も多いのがホストクラブなど夜間に営業する接待を伴う飲食店での感染で40人、
▽次いで家庭内での感染が34人、
▽会食での感染が23人、
▽職場内や同僚からの感染が14人などとなっています。

接待を伴う飲食店の関係者は、感染経路が分からない7人を含めると47人です。これで都内で感染が確認されたのは合わせて1万420人になりました。

一方、23日死亡が確認された人はいませんでした。

都担当者「都内で全体的に増加 警戒強める」

都内で過去最多の366人の感染が確認されたことについて、東京都の担当者は、「検査を積極的に実施したことが要因の1つだ。20代から40代が多く、全体の人数を引き上げたことも大きい」と話しています。

また、感染の地域的な広がりについては「島しょ部を除く都内30の保健所すべてから『発生届』が出ている。多摩地域も含めて都内で全体的に増えた。今後の傾向を注視しながら、より警戒を強めなければいけない状況だ」と話しています。

入院48人増 重症は3人増

都内で23日までに感染が確認された1万420人のうち、入院中の人は22日より48人増えて964人です。

このうち重症の人は21人で、22日から3人増えました。

また、自宅で療養している人は22日より26人減って392人です。

さらに、都が用意した3つのホテルで療養している軽症や無症状の人は、22日より12人増えて168人です。この3つのホテルで合わせて480人程度の受け入れ能力があり、都は、今月中にホテルや施設をさらに3つ確保する方針です。

また、入院するのかホテルや自宅で療養するのか調整中の人は717人で22日より247人増えました。

一方、すでに退院した人や自宅などでの療養が終わった人は7852人です。

西村経済再生相「危機感を強めている」

西村経済再生担当大臣は記者会見で、「危機感を強めている。特に経路が不明な人の割合、60代以上の人の割合をしっかり見ていかなければならない。医療提供体制はひっ迫している状況ではないが入院者が増える可能性もあるので、東京都には病床の確保を急いでもらいたいし、国でもいざという時に備えて準備を進めたい」と述べました。

そして「とにかく感染防止策と経済社会活動との両立が大事で、そのためには徹底した感染防止策が大前提で、それが新たな日常だ。昔の日常に戻っては感染は広がる。飲食店には新たな日常作っていく主役として取り組んでもらえればと思う。取り組まずに感染が広がっているのは本当に残念だ」と述べました。

また、西村経済再生担当大臣は「体調の悪いかたは当然、旅行も控えてもらいたいが、外出する際には感染防止策を徹底してもらうことが何よりも大事だ。感染防止と社会経済活動とを両立していくので、人との接触は当然あるが、個人個人が対策を講じたうえで外出してもらいたい。それができないなら、外出を控えてもらいたい」と呼びかけました。

東京の入院患者 7月に入り3倍増

東京都では感染の再拡大に伴って入院患者の数も増え続けています。

都の発表によりますと新型コロナウイルスの入院患者は、22日の時点で916人となりました。

都は2400床のベッドを確保しているとしていて、数字の上ではまだ半数以上が空いていることになります。

しかし患者の数は1週間前と比べて195人多く、1.27倍に増加し、今月1日と比べると636人多く、3.27倍に増えています。

また、重症の患者は23日の時点で21人と、1週間前より14人増え、3倍となっています。

22日開かれた東京都の会議では現場の医療関係者から、「東京の医療がひっ迫していないというのは誤りだ」という指摘が出ています。

入院患者の増加は東京だけでなく、全国でも起きています。厚生労働省のまとめによりますと、全国の新型コロナウイルスの入院患者は今月1日には696人だったのに対し、今月15日は1717人と2.5倍に増えています。

確保しているベッド数は1万9496床と、こちらも数字のうえではひっ迫した状況にはなっていませんが、患者の増加が続いていることで医療現場の警戒感は高まっています。

専門家「重症者対応の準備を」

政府の分科会のメンバーで日本感染症学会の理事長を務める東邦大学の舘田一博教授は、「4連休の初日にこのような数字が出てきて少し驚いている。接待を伴う飲食以外に普通の飲み会や、仲間どうしの会食などでも感染が広がっていて、これは市中感染が起きていることを示す非常に注意しなければならないサインだと考えている」と話していました。

そのうえで「今は多くが軽症だとしても、これだけ毎日、新たな感染者が出てくると全体としては感染者の数が多くなるため、医療機関でもベッドが足りなくなる状況が見えてきている。また、重症者の数も増えてきているのですぐにも病床を確保して重症者に対する受け入れ態勢を整えていかなければならない」と指摘しました。

また、重症者への対応では人工呼吸器やECMOと呼ばれる人工心肺装置が重要だとして、「第1波の経験をもとに、重症者が増えた場合に速やかに人工呼吸器やECMOなどを使うことができるよう医療機関どうしの連携など備えることが必要だ」と話していました。