「Go Toトラベル」東京対象外のキャンセル料 補償へ調整

「Go Toトラベル」東京対象外のキャンセル料 補償へ調整
観光需要の喚起策「Go Toトラベル」をめぐり政府は当初の方針を転換し、東京を割り引きの対象から外したことに伴うキャンセル料について、補償する方向で調整に入りました。
22日から始まる「Go Toトラベル」をめぐっては、政府は感染が増えていることからすでに予約されている分を含めて東京都を目的地とする旅行と都内に住む人の旅行を割り引きの対象から外しました。

これに伴ってすでに旅行を予約した人がキャンセルした場合の対応について、赤羽国土交通大臣は今月17日の記者会見で「国として補償する考えはない」としていました。

しかし、割り引きを見込んで旅行を予約していた人たちから補償を求める声が相次いだことなどから、政府は当初の方針を転換し、キャンセル料を補償する方向で調整に入りました。

補償にあたっては、利用者がいったん支払ったキャンセル料を後日、申請することで返金を受ける方法や、旅行会社や宿泊事業者がキャンセル料の一部や全額を利用者に請求せずに予約の取り消しに応じ、政府が肩代わりする方法などが検討されています。

キャンペーンの開始が22日に迫り、旅行会社などでは利用者からの問い合わせも相次いでいることから、政府は具体策の検討を急いでいます。

菅官房長官「利用者に迷惑かけないよう必要な対応を検討」

「Go Toトラベル」で、東京発着の旅行を対象外としたことに伴うキャンセル料について、菅官房長官は午後の記者会見で、国土交通省で実態を把握したうえで、利用者に迷惑がかからないよう、対応を検討する考えを示しました。

この中で、菅官房長官は、東京発着の旅行を対象外としたことに伴うキャンセル料について、「会社ごとにさまざまな形態がある。国土交通省で実態を把握したうえで、事業者への働きかけや、利用者にご迷惑をおかけしないよう必要な対応を検討している」と述べました。

「Go Toトラベル」をめぐり、方針転換が相次いでいるという指摘について、菅官房長官は、「東京を除外したことは、東京都の感染者数が突出し、増加傾向にあったため、専門家にご議論いただいたうえで決定した。専門家の意見を聴きながら、一つ一つの課題については、担当大臣から丁寧に説明したい」と述べました。

また、接待を伴う飲食店に対し、警察が風俗営業法などに基づいて立ち入ることについて、菅官房長官は「警察は法律上の義務の徹底を図り、あわせて感染症対策の徹底を呼びかけるものだ」と述べ、法律上問題はないという認識を示しました。

共産 小池書記局長「心配は当然 実施すれば混乱は必至」

「Go Toトラベル」について、共産党の小池書記局長は、感染拡大を招く懸念があるとして、今からでも延期すべきだとしたうえで、キャンセル料は国が補償するよう求める考えを示しました。

観光需要を喚起するための「Go Toトラベル」を政府はすでに予約されている分も含めて東京発着の旅行を割引対象から外したうえで22日から実施することにしています。

これについて共産党の小池書記局長は記者会見で、「観光を奨励することが感染拡大につながるのではないかと国民が心配するのは当然で、実施すれば混乱が広がることは必至だ」と述べ、今からでも延期すべきだと指摘しました。

そのうえで、東京を発着する旅行を対象外とすることに伴うキャンセル料について、「迷走につぐ迷走で迷惑をかけたにもかかわらず、生じた不利益を国民が負担するのは無責任の極みだ。予備費を活用し、国が負担するのが当然だ」と述べ、国が補償するよう求める考えを示しました。