英首相 経済活動12月までに正常化の考え 専門家は慎重な意見も

英首相 経済活動12月までに正常化の考え 専門家は慎重な意見も
イギリスのジョンソン首相は、新型コロナウイルスの感染対策のために制限してきた経済活動などをことし12月までに正常化したい考えを示しましたが、専門家からは慎重な意見もあがっています。
イギリスでは、ウイルスに感染して死亡した人はヨーロッパで最も多く、4万5000人を超えていますが、感染拡大のペースは比較的落ち着いてきているほか、大きな打撃を受けている経済の立て直しが急務となっています。

ジョンソン首相は17日に開いた記者会見で、ロンドンがあるイングランドで段階的に進めている経済活動などの再開について今後の計画を発表しました。

それによりますと、これまでは、在宅での勤務を呼びかけてきましたが、来月からは職場で勤務するかどうかは雇用主の判断で決められるとしています。

また、必要な場合にのみ利用するよう求めてきた公共交通機関についても、誰でも利用できるとしています。

10月からは、スタジアムでのスポーツ観戦や、展示会などビジネスの催しも可能になり、クリスマスまでに経済や社会の活動の正常化を目指す方針です。

一方で、感染の拡大に備え、10月末までには1日に少なくとも50万件の抗原検査を実施できる体制を整える計画です。

ただ、感染症対策にあたる政府の専門家は、在宅勤務を含め、人との距離をとる対策が依然として重要だという考えを明らかにしていて、ジョンソン首相は難しい対応を迫られています。