政府 Go Toトラベルで観光産業後押しへ 東京発着を対象外に

政府 Go Toトラベルで観光産業後押しへ 東京発着を対象外に
消費喚起策のうち、旅行を対象とした「Go Toトラベル」について、政府は、東京発着の旅行を対象外としたうえで今月下旬から予定どおり始める方針で、感染防止策の徹底を図りながら、厳しい経営環境が続く観光関連産業を後押ししたい考えです。
政府の消費喚起策のうち旅行を対象とした「Go Toトラベル」について、安倍総理大臣は、16日、菅官房長官、西村経済再生担当大臣、赤羽国土交通大臣と協議し、東京都などの感染状況を踏まえ、東京発着の旅行を対象外にしたうえで、今月22日から予定どおり実施する方針を決めました。

その後、感染症の専門家などによる分科会では、東京を除外した理由について、都内の感染者数が多いことや、首都圏のほかの県に感染が広がってきていることなどを説明し、賛同を得ました。

政府は旅行者や観光事業者に感染防止策の徹底を呼びかけたうえで実施することにしていて、厳しい経営環境が続いている観光関連産業を後押ししたい考えです。

ただ、人口の多い東京を除外することで効果が薄れると懸念する声もあり、今後、感染状況を見ながら、東京を対象に加えるかどうか検討が行われる見通しです。

一方、16日、東京都で新たに286人の感染が確認されるなど全国で確認された感染者は600人以上に上り、緊急事態宣言が出されたことし4月上旬の水準になりました。

政府は、引き続き、医療提供体制はひっ迫しておらず、再び緊急事態宣言を出す状況にはないとしていますが、接待を伴う飲食店に加え酒類を提供する飲食店にもガイドラインの徹底を図るとともに、守っていない店舗を利用しないよう外出自粛を要請するなどして、感染拡大の防止に全力をあげる方針です。

コロナ感染防止の徹底を事業者に要請へ 政府

政府は「Go Toトラベル」のキャンペーンに参加する旅行会社や宿泊事業者に対し、登録申請を行う際に感染防止対策の条件を満たすことを求めます。

具体的には
▽旅行者全員に対して検温など体調チェックを行うこと
▽浴場やレストランなど共用施設の利用については人数や時間の制限をかけるなどいわゆる「3密対策」を徹底すること
▽共用スペースの消毒や換気などを求めるとしています。

キャンペーンに参加する事業者は、ホームページなどで対策を公表し、対策が不十分な場合は、参加登録を取り消すとしています。

また旅行者に対しては接触確認アプリの導入を推奨するほか、重症化しやすい高齢者を中心とする旅行や宴会を主な目的とする旅行などについては飛沫感染や接触感染の防止を徹底するよう求めるとしています。

トラベル以外も実施時期など慎重に判断 政府

「Go Toキャンペーン」のうち、予約サイトを通じて飲食店を利用した消費者にポイント還元などを行う「Go Toイート」では、運営事務の委託先の公募を17日から始める予定でした。

しかし関係者によりますと、担当する農林水産省は「Go Toトラベル」で東京が対象外となったことや都内の新規感染者の数がこれまでで最多となったことを受けて、公募の開始を遅らせる方向で調整に入りました。

合わせて、キャンペーンの実施時期などについても、今後の状況を見極めながら慎重に判断することにしています。

一方、コンサートやスポーツ、映画などのチケット代を割り引く「Go Toイベント」などを担当する経済産業省は、今月21日までとしている公募の期間は変更せず、委託先の選定を予定どおり進める考えです。

ただ、実施の時期などについては、状況を見極めながら判断したいとしています。