東京 新宿「検査スポット」陽性率3割超える 新型コロナ

東京 新宿「検査スポット」陽性率3割超える 新型コロナ
新型コロナウイルスへの感染を調べる「検査スポット」が各地に設けられていますが、感染の確認が相次ぐ東京 新宿区の「検査スポット」では今月、検査件数が増加し「陽性率」も3割を超えています。感染がさらに拡大すれば、検査体制がひっ迫するおそれがあるとして懸念の声も上がっています。
新型コロナウイルスへの感染を調べるPCR検査について、新宿区では保健所が行う検査のほか、ことし4月「国際医療研究センター」の敷地内に、医師会と協力して「検査スポット」を設けました。

現在は医師など25人のスタッフが、かかりつけ医から紹介された人などを対象に検査を行っていて、想定している検査能力は1日当たり最大で200件だということです。

新宿区によりますと「検査スポット」で、実際に行った検査の件数は、先月までは1日当たり平均して50件前後で推移していましたが、今月に入ってからは120件余りと倍以上に上っています。150件を超える日もあるということです。

さらに、ここで検査を受けた人のうち、感染が確認された人の割合「陽性率」も上昇が続いています。4月から5月にかけては5%前後だったのが、先月は18%、今月は8日までの時点で33%と3割を超え、感染拡大の勢いが増していることがうかがえます。

感染がさらに拡大すれば、検査体制がひっ迫するおそれがあるとして、医療関係者からは懸念の声も上がっています。

接待伴う店含む「飲食業」の陽性率高い

新宿区は先月「検査スポット」で行われたPCR検査について、5つの職業ごとの「陽性率」をまとめています。

それによりますと、先月は1266件のPCR検査が行われ、このうち感染が確認された陽性の人は226人で、全体の「陽性率」は18%でした。

職業別では、
▽ホストクラブやキャバクラなど接待を伴う店を含む「飲食業」がもっとも高く31%でした。
次いで、
▽「無職・フリーターなど」が24%、
▽「学生」「会社員など」がともに4%、
▽「不明」も16%に上りました。

新宿区では、接待を伴う飲食店などで集団感染が発生した可能性がある場合には保健所が店舗などに出向く形式でも検査を行っているということです。

東京都医師会 角田副会長「市中感染者の絶対数 増えているはず」

新宿区の「検査スポット」の現状について、東京都医師会の角田徹副会長は「本当に限界を超えて検査している状況だと思う。検査件数が増えること自体は必要なことだが、検査件数の増加と同時に、陽性率が上がっているということは市中の感染者の絶対数が増えているはずだ」と指摘しています。

そのうえで「新宿だけではなく、都内全体での陽性率が上がっているので、新宿を中心に都内各地へ分散している可能性がある。さらに職業を超えた感染の広がりも見せつつあり、感染予防のため、今後の2週間が重要な時期だと思う」と話しています。