Go Toキャンペーン 専門家の意見踏まえ実施の在り方検討 首相

Go Toキャンペーン 専門家の意見踏まえ実施の在り方検討 首相
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今月22日から実施する予定の消費喚起策「Go Toキャンペーン」について、安倍総理大臣は、新型コロナウイルスの感染状況を高い緊張感を持って注視しているとしたうえで、専門家の意見も踏まえて、実施の在り方を検討する考えを示しました。
政府は、消費喚起策「Go Toキャンペーン」の今月22日からの実施を予定していますが、野党側や一部の自治体からは、中止や延期を求める意見が出ているほか、与党内からも感染拡大を懸念する声があがっています。

キャンペーンについて安倍総理大臣は、16日午前、総理大臣官邸に入る際、記者団に対し、「赤羽国土交通大臣から説明しているとおりだが、現在の感染状況を高い緊張感を持って注視している。本日、政府の分科会を開催して、専門家の意見を聴いてみたい」と述べ、専門家の意見も踏まえて、実施の在り方を検討する考えを示しました。

赤羽国土交通相「安全で安心な観光体現を」

観光の需要を喚起しようと今月22日から実施する予定の「Go Toトラベル」について、赤羽国土交通大臣は、福岡県内の豪雨の被害状況を視察したあと久留米市内で記者団の取材に応じ、「東京で感染者の数が増えており、国民の安全と安心が大前提だが、ウィズコロナにおける安全で安心な観光というものを体現するために行う事業でもある」と述べました。

そのうえで、赤羽大臣は「きょう政府の分科会もあり、政府・与党の中でも検討が進められると承知している。どのような形で執行するか最終的には決まっていないのであすの記者会見で説明したい」と述べ、専門家の意見などを踏まえ、キャンペーンをどのように実施していくのか、17日、説明する考えを示しました。

菅官房長官「観光業は厳しい状況と認識」

菅官房長官は、午前の記者会見で「赤羽国土交通大臣から、対象となる宿泊施設で検温を実施するなどの感染防止策をしっかり講じる旨の説明があり、これに沿って、観光庁で各業界とチェック体制などの詳細を検討しているところだ」と述べました。

そのうえで「政府の分科会でも議論されると承知している。各地の感染状況を注視しつつ、感染症の専門家の意見もうかがいながら、適切に対応していきたい」と述べました。

そして、各地の観光関連産業の状況について「たとえば、インバウンドはほぼゼロで、国内の観光業は大変厳しい状況にあると認識している。『Go Toキャンペーン』によって、観光や飲食の支援を行うことで、社会経済を回復させ、各地域が厳しい状況から脱却できればいいと考えている」と述べました。

自民 岸田政調会長「国民の理解 得られる対応を」

自民党の岸田政務調査会長は派閥の会合で「今の状況を見るかぎり、何らかの条件や柔軟な対応を合わせて考えなければ、国民の理解や安心にはつながらないのではないか。キャンペーンは、経済対策と感染症対策を両立させるウィズコロナの取り組みの試金石になる。政府には、しっかりと国民の理解を得られる対応を求めていきたい」と述べました。

自民 石破元幹事長「国民の理解のもと考えていかなければ」

自民党の石破元幹事長は、派閥の会合で「観光に携わる方々は本当に大変で、何とかしなければいけないというのはみんなの共通の思いだが、感染拡大が止まらない状況でやっていいのか。キャンペーンを否定はしないが、国民の理解のもと、どうしたらできるのかを考えていかなければいけない」と述べました。

立民 枝野代表「ブレーキとアクセルを同時に踏むようなもの」

立憲民主党の枝野代表は、記者会見で「医療体制がぜい弱な地方に、感染のリスクがある人を移動させることを税金を使って後押しするのは、ブレーキとアクセルを同時に踏むようなものだ。専門家の意見を聞いたうえで見直すのであれば前進ではあるが、ただやめればいいという話ではない。観光関連産業が事業を維持できるような支援策を打ち出さなければならないが、これが遅れていることが深刻な問題だ」と述べました。

公明 山口代表「政府として総合的な判断を」

政府の消費喚起策「Go Toキャンペーン」について、公明党の山口代表は党の中央幹事会で「東京や全国的な感染の状況をよく見極めて、実施については慎重に対応するよう、手だてを講じてもらいたい。また、専門家の意見を聴いたうえで、実施や感染防止策の在り方について、政府として総合的な判断をしてもらいたい。与党として、国民の不安にしっかり応えて感染防止と社会経済活動の両立を図れるような対応をとっていきたい」と述べました。

山口氏は、14日行った記者会見ではキャンペーンに関して「観光業は甚大な打撃を受けており、感染防止策を実行したうえで、徐々に観光にも力を入れていこうという流れだ。感染が心配だからキャンペーンをやめるのは過度な対応だ」と述べています。