アフリカ各国で空の便再開の動き WHOは対策強化を呼びかけ

アフリカ各国で空の便再開の動き WHOは対策強化を呼びかけ
アフリカでは新型コロナウイルスの感染が拡大する中、西アフリカのセネガルでこれまで感染対策で停止されていた国際便の運航が再開しました。今後、アフリカ各国で経済活動を優先させて空の便の再開が始まることから、WHO=世界保健機関はさらなる感染拡大を防ぐため、各国に対し、追跡や検査を強化するよう呼びかけています。
セネガルの首都ダカールにある国際空港で15日、ほぼ4か月ぶりに国際便の運航が再開され、このうち、エアフランスの航空機がフランスのパリに向けて離陸しました。

セネガルでは感染対策で国境が事実上閉鎖されてきましたが、サル大統領は先月、「ウイルスによって人々の健康が害されてはならないが、経済も害されてはならない」と述べ、経済活動を進める考えを示していました。

国際便をめぐっては東アフリカのケニアも来月1日から再開する予定で、外国人ビジネスマンや観光客を呼び込みたい各国のねらいがあります。

こうした動きについて、WHOアフリカ地域事務局のモエティ事務局長は、「各国は感染状況を注視しながら判断すべきで、追跡や検査を強化することが求められる」と述べ、対策を強化するよう呼びかけています。

アフリカでは感染拡大も制限緩和する国相次ぐ

AU=アフリカ連合によりますと、アフリカ大陸全体の感染者数は15日までに62万人を超え、増え続けています。

このうち、最も多いのがアフリカ最大の工業国で多くの日本企業が進出する南アフリカで、30万人近くと全体のほぼ半数を占めています。

最近、南アフリカでは1日に報告される感染者数が1万2000人を超え、アメリカ、ブラジル、インドに次ぐ規模になっています。

ただ、南アフリカを始め、アフリカの多くの国では、まだ流行が本格化していない段階から国境の封鎖や外出制限などに乗り出したことや、人口の多くが若者で占められていることなどから、高齢化が進む国と比べて亡くなる人が比較的少ないとされています。

その一方、経済活動は大きな打撃を受けていて、IMF=国際通貨基金は先月24日、サハラ砂漠以南のアフリカのことしの経済成長率について、マイナス3.2%まで落ち込むとしていて、南アフリカでマイナス8.0%、2億近い人口を抱えるナイジェリアでマイナス5.4%と予測しています。

アフリカでは貧困層を中心に生活が困窮する人も増えるなど経済や社会への負担が大きくなる中、感染が拡大しているにもかかわらず、制限を緩和する国が相次いでいます。

南アフリカでは観光業に深刻な影響

アフリカで最も感染が拡大している南アフリカは国際便の再開はおろか、国境を開くめども立っておらず、観光業に深刻な影響が出ています。

南アフリカでは近年、観光の促進に力を入れていて、ケープタウンでの滞在や自然公園でのサファリツアーなどに年間1千万人以上の外国人観光客が訪れ、観光はGDP=国内総生産のおよそ8%を占めています。

しかし、新型コロナウイルスの感染防止策として、ことし3月下旬から国境が事実上封鎖され、外出制限が続く中、北部の自然公園の近くにある土産物屋には観光客の姿はなく宿泊施設も閉鎖されています。

ガイドの男性は、「新型コロナウイルスによって観光客は来られなくなり、売り上げはゼロになった」と話していました。

政府の観光促進機関のヌチョナ代表はNHKのインタビューで、「観光業関連は150万人の雇用を生んでいるだけに、影響は深刻だ。ただ、南アフリカは感染のピークに向かっていて、外国人観光客を再び受け入れるめどは立っていない」と話しています。