感染症専門医の養成や医療機関への配置を要望 日本感染症学会

感染症専門医の養成や医療機関への配置を要望 日本感染症学会
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日本感染症学会は新型コロナウイルスをはじめとする感染症の治療に精通した専門医が不足しているとして国や全国の都道府県に対し、専門医の養成や医療機関への配置などを求める要望書を提出しました。
要望書は新型コロナウイルスで感染症の専門医の役割が大きくなる中、新しい感染症への対応を強化する必要があるとして日本感染症学会がまとめました。

学会によりますと、全国にある400余りの感染症指定医療機関のうち、学会が認定する感染症専門医が在籍しているのはおよそ35%に当たる144施設にとどまっていて、新型コロナウイルスの治療にあたる医療機関でも専門医がいない施設もあるということです。

このため要望書では国に対し、感染症指定医療機関に感染症科を設けて専門医を配置することや大学の医学部などに感染症学を教える講座を設置し、専門医を養成する体制の構築を求めたほか、全国の都道府県に対しても専門医のいない感染症指定医療機関へ専門医を派遣する仕組みを作ることなどを求めています。

学会は15日付けで国や全国知事会などに要望書を提出したということです。

日本感染症学会の舘田一博理事長は「専門医を増やすことはすぐにはできない。将来、再び新しい感染症が流行したときに備えて専門医の育成を今から急ぐ必要がある」と話しています。