社会

“Go To”「旅行は世の中 平和が前提」旅行会社など反応

政府が今月22日から実施を予定している消費喚起策「Go Toキャンペーン」をめぐっては、各地の知事から懸念の声が上がっていて、政府は感染症の専門家らによる分科会を開いて意見を聴き、新型コロナウイルスの感染防止と実施の在り方などについて検討することにしています。
このことについて、都内の大手旅行会社は「ことしに入ってほとんどのツアーがキャンセルになっている中、キャンペーンに期待して、万全な感染対策のために観光事業者とプランの検討を重ねてきたので、不安が募っています。しかし、旅行は世の中が平和であることが前提なので、再び感染者が増えている中では、安心して旅行していただけるのか、答えが見つからない複雑な心境です」と話していました。

また、都内の観光バス会社は「都民が都外へ行くツアーはまだまだ回復していません。キャンペーンがあれば後押しになるので、期待していました。観光業は中小企業が多いので、ここにきて見通しが立たなくなるとどこまで耐えられるか、経営的にとても厳しいです。例えば地域を絞ってでも始めてほしい」と話していました。

日光のホテル 期待と不安

例年、首都圏から多くの観光客が訪れる栃木県日光市のホテルでは、国の「Go Toキャンペーン」による宿泊客の回復に期待する一方、新型コロナウイルスの感染が拡大する中での全国一斉での実施に不安の声も聞かれました。

日光市にある鬼怒川温泉のホテルでは、夏の本格的な旅行シーズンを前に、今月5日から一部の改修工事を進めています。

国の「Go Toキャンペーン」が始まる今月22日に、営業を再開することにしていて、客室の壁紙やベッドを新しくしたり、売店の商品を大幅に入れ替える作業が行われていました。

営業再開にあたっては、入り口で検温を行ったり、受付カウンターにアクリル板を設置して飛沫を防ぐなど、感染防止対策をとったうえで宿泊客を迎えることにしています。

ホテルでは、今月に入ってから予約の問い合わせが増えているということですが、人が密集する状態になるのを防ぐため、宿泊客の受け入れは従来の6割から7割程度にとどめる予定です。

「鬼怒川グランドホテル夢の季」の波木恵美社長は「本来なら喜ばしいキャンペーンですが、感染の確認が増えてきているため、期待半分、不安半分です。感染症対策を万全にしてお迎えしますので、お客様も体調を気にしながら元気にお越しいただきたいです」と話していました。

特集

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。