日銀 大規模な金融緩和策と資金繰り支援策 維持・継続を決定

日銀 大規模な金融緩和策と資金繰り支援策 維持・継続を決定
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日銀は15日まで金融政策を決める会合を開き、今の大規模な金融緩和策と新型コロナウイルスの影響を受けた企業への資金繰り支援策を維持、継続することを決めました。日銀は、感染の再拡大で経済活動を制限する動きなども注視し、必要があればちゅうちょなく追加の金融緩和に踏み切る姿勢を強調しています。
日銀は15日までの2日間、金融政策決定会合を開き、国債を上限なく買い入れて市場に潤沢な資金を供給し、短期金利はマイナスにする今の大規模な金融緩和策の維持を賛成多数で決めました。

金融機関が新型コロナウイルスの影響を受けた企業向けの融資を増やすよう110兆円規模の資金繰り支援策についても、今の枠組みを続けることを決めました。

銀行や信用金庫が資金繰り支援策をすでに20兆円余り利用し、日銀は融資の拡大に一定程度つながっていると判断したとみられます。

ただ、15日、合わせて公表した今後の景気や物価の展望で、日銀は新型コロナウイルスの影響を踏まえ、今年度の経済成長率の見通しを中央値でマイナス4.7%としました。

アメリカで感染者が急増して飲食店などの営業を再び制限する動きが出ているほか、東京でも新たな感染者が増えています。

日銀は国内外の状況を注視し、必要な場合はちゅうちょなく追加の金融緩和措置に踏み切る姿勢を強調しています。

日銀 黒田総裁「効果を発揮」

金融政策決定会合のあと記者会見した日銀の黒田総裁は、新型コロナウイルスへの対応として3月以降、強化してきた金融緩和策や企業の資金繰り支援策について「企業の資金調達の環境が緩和されるなど効果を発揮しているとみている」と評価しました。

そのうえで「当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があればちゅうちょなく追加の緩和策を講じる」と述べました。

さらに黒田総裁は、景気の現状について「企業の設備投資は比較的しっかりしている。モノの消費や生産の落ち込みは底を打っていると思う」と述べ、新型コロナウイルスの影響による景気の落ち込みに歯止めがかかり、回復を始めたという認識を示しました。

ただ、観光やスポーツイベントなど、サービス分野が完全にもとの水準に戻るのは難しいうえ、先行きについて「この調子で回復していくとは楽観していない。回復は緩やかになるとみている」と述べ、慎重な見方も合わせて示しました。

また、東京都で新型コロナウイルスの感染者が再び、増加を続けていることについて「感染者数が再び増えてはいるが、全体として『第2波』というような大きなものにはなっていないと思っている。ただ、ワクチンが広く接種できるようになるまでは、休業の要請などで対応することになるため、感染の状況と経済への影響を十分に注意していく必要がある」と述べました。