厚労省専門家会合「新規感染者数は全国的に増加傾向」

厚労省専門家会合「新規感染者数は全国的に増加傾向」
新型コロナウイルス対策について厚生労働省に助言する専門家の会合が14日開かれ、最新の感染状況について「新規感染者の数は全国的に増加傾向にある」などとする評価をまとめました。
この会合は、厚生労働省が新型コロナウイルス対策についての助言機関として設置したもので、ことし5月まで開かれていた政府の専門家会議のメンバーを中心に感染症の専門家など15人で構成されています。

14日開かれた会合では、最新の感染状況についての分析と評価がまとめられました。それによりますと、感染が拡大している東京都では若い世代以外でも感染者数が増えていて、今月に入ってからはほかの地域でも東京への移動との関連が疑われる事例がみられるなどとして、全国的に新規感染者数は増加傾向にあるとしました。

そのうえで、詳しい感染経路が分からない人の割合も増加傾向にあることなどから、特定の場所や地域に限らない感染が進みつつあることは否定できないと指摘しました。

医療提供体制については全国の重症者の数が今月8日時点で36人にとどまっていて、集中治療を行うための病床は確保されているとしました。

ただ、感染者が増えていることから軽症の人のための療養施設やスタッフの確保、それに体制がひっ迫する保健所への支援などが急務だとしました。

また検査体制については、1日に検査ができる件数が増えていて、陽性率も比較的低いことなどから今の時点では必要な人に検査が実施できているとしました。

そして、感染拡大を防ぐために引き続き一人一人の行動が重要だとして、熱がある場合には仕事や学校を休むこと、徹底した3つの密の回避や手洗いやマスクの着用、それに換気を続けることなどを呼びかけました。

会合のあと脇田隆字座長は今後の感染拡大の見通しについて「ことし3月から4月にかけてよりも感染の拡大は緩やかで当時と同じような状況ではないとする意見がある一方で、対策をさらに強化すべきという意見も出た。感染の状況を引き続き注意深く見ていくことが必要という見解でまとまった」と述べました。

Go Toキャンペーンについては

会合のあとの会見で厚生労働省の助言機関の脇田隆字座長は今月22日から政府の「Go Toキャンペーン」が始まる予定となっていることについて見解を問われ「現状では、東京から地方への移動を直ちに止める必要があるとは考えていない。ただ、今後、感染が東京からどんどん地方へ拡大していくという状況になれば、移動を止める必要が出てくると思う。もう少し感染拡大の様子を見ていく必要がある」と述べました。