新型コロナ感染拡大 神奈川・埼玉・千葉の感染状況は

新型コロナ感染拡大 神奈川・埼玉・千葉の感染状況は
増え続ける新型コロナウイルスの感染者数。東京都内では12日まで4日連続で200人を超え、13日も新たに119人の感染が確認されました。感染者は周辺の神奈川、埼玉、千葉の各県でも広がりを見せています。3県の感染者の特徴をまとめました。

神奈川県 20代と30代が58%余

神奈川県によりますと、県内で新型コロナウイルスに新たに感染した人は12日までの1週間は合計158人で、1日平均22.57人となっています。

<年代別>
この158人を年代別にみると
▽10歳未満が4人
▽10代が8人
▽20代が69人
▽30代が23人
▽40代が17人
▽50代が17人
▽60代が10人
▽70代が8人
▽80代が2人となっていて、20代と30代が全体の58%余りを占めています。

<感染経路>
このうち感染経路が不明な人は59.6%と6割近くになっています。

<クラスター>
この1週間に感染拡大が続いていることが確認されている医療・福祉施設のクラスターは川崎市川崎区の「川崎協同病院」で、12日までに16人に上っています。

<入院者の状況>
今月10日の時点では、県内で入院して治療を受けている人は75人で、このうち重症が8人、中等症が48人、軽症か無症状が19人となっています。このほか宿泊施設で療養しているのが54人、自宅で療養している人が29人となっています。

<病床使用率>
また、県内の医療機関の稼働している病床の使用率は、12日の時点で、重症者の治療に当たる高度医療機関で12%、中等症の患者を受け持つ重点医療機関で12%などとなっています。
神奈川県では患者が増えてきた際に使うことを医療機関と合意している病床がほかにもあり、そうした病床を含めると使用率はさらに低くなります。

<実行再生産数>
また、1人の感染者が平均して何人に感染させるかを示す「実行再生産数」は1.775人だということです。

神奈川県は「最近は20代や30代の若い世代の感染者の増加が目立っている。感染者が増えている地域の接待を伴う飲食店の利用は控える一方、飲食店などを利用する場合には感染防止対策を行っているかを確認してほしい」としています。

埼玉県 キャバクラ店とホストクラブ 計4店でクラスター

埼玉県内での11日までの1週間の感染者は213人となっています。

<年代別>
年代別に見ますと、
▽20代が最も多く40%、
▽30代が14%と、20代と30代で半数以上を占め、
▽40代が16%、
▽50代が9%、
▽60代以上は9%となっています。

一方、今月6日までの1週間では、
▽20代が48%、
▽30代が21%で全体の70%近くを占め、
▽40代が10%、
▽50代が8%
▽60代以上が7%となっていて、この1週間では、40代以上が増えています。

<感染経路>
また、感染経路については、
▽都内に関係するケースが21%、
▽キャバクラ店やホストクラブなど接待を伴う飲食店の関係が14%、
▽このほか感染経路が推定可能なケースは32%で、
▽感染経路不明が33%となっています。

<クラスター>
県内では、先月下旬以降、キャバクラ店とホストクラブの合わせて4つの店舗でクラスターが発生し、従業員と客、合わせて53人の感染が確認されています。
また、未就学の子どもが通う施設でも職員や園児合わせて7人の感染が確認されています。施設で検査を行った結果、このほかの職員と園児は陰性だったということです。

<医療体制は>
12日現在の県内の患者数は308人で、入院しているのは前の週に比べ37人増えて167人、このうち重症者は1人増えて4人となっています。
感染症の患者を受け入れるための病床の使用率は28%で、最も高かった4月23日の74%と比べると大きく下回っています。

<陽性率は>
検査を受けた人のうち、感染が確認された割合、「陽性率」は、今月11日までの7日間の平均で3.9%で、前の週に比べ、0.9ポイント増えました。
最も高かった4月12日は15.1%で、その後、0.2%まで下がったものの、感染者が増え始めた6月下旬から、徐々に上昇しています。

埼玉県は「都内や県内の繁華街で感染するケースも多くこのまま続けば高齢者への感染拡大も懸念される。病床にはまだ余裕がある状況だが、早めに手を打ちながら感染の広がりを防ぎたい」としています。

千葉県 62%が東京に近い県北西部

千葉県内では今月に入って12日までに新たに感染確認が発表されたのは155人となっています。

<年代別>
年代別では
▽20代が44%、
▽30代が17%など30代までの若い世代が106人と全体の68%を占めています。
このうち、10歳未満の小学生や保育園児などで感染したのは5人で船橋市の2つの小学校や柏市、八千代市の保育園などが休校や休園の対応を取りました。

<居住地別>
居住地別に見ますと船橋市や市川市など東京に近い県北西部の東葛地域の自治体が62%を占めています。

<感染経路>
さらに感染が判明した時点で48%は感染の経路がわかっていません。

<直近1週間の1日平均の新たな感染者数>
千葉県によりますと、空港での検疫で感染が確認され、千葉県に滞在していた4人を含め、直近の1週間の1日平均の新たな感染者数は15.6人、PCR検査の陽性率はおよそ4.4%です。

<病床の稼働率は>
さらに12日の時点で、療養している人の数は150人で、このうち121人が入院中で病床の稼働率は26.4%となっています。
またホテルで療養中の人は11人とホテルの稼働率は1.5%となっています。重症の患者はいないということです。

<クラスター>
一方、緊急事態宣言が解除されてから千葉県では3つのクラスター=感染者の集団が発生しました。
12日までに
▽松戸市の「北原学院歯科衛生専門学校」で、茨城県や東京都の検査で判明した人も合わせて学生14人、
▽松戸市の特別養護老人ホーム「松戸陽だまり館」で女性入所者2人と男性職員3人の合わせて5人、
▽浦安市の「タムス浦安病院」で入院患者6人と女性看護師4人の合わせて10人の感染が確認されています。